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season2 第1話(上)

暁晴斗が学校にて成り行きで怪人を倒した件から約1年後。東京都心で起きた鳶旺(えんおう)決戦からは数ヶ月が経過していた。
鳶旺が残した怪人の残党もだいぶ減り、対怪人組織・特務機関ゼルフェノアはようやく穏やかになる。

晴斗は戦闘で学校をサボっていたため、猛勉強の末になんとか高3へ。
春休みの終わり頃、晴斗は久しぶりに本部を訪れた。



ゼルフェノア本部・司令室。

司令室には司令の宇崎と司令補佐の鼎がいる。鼎は1年前の戦闘の末に戦えない身体になっていた。
彼女は補佐にも慣れたようで、少し余裕が出始めている。司令室からの指揮もまあまあ慣れ始めてはいた。


「室長、久しぶりでーす」


明るい声が聞こえてきた。そこには晴斗の姿が。

鼎は思わず振り返る。紀柳院鼎は通称・仮面の司令補佐。
顔の大火傷の跡を隠すために白いベネチアンマスクを着けている。彼女の言い方こそは冷淡だが、本当は不器用で仲間思い。


「晴斗…!本当に来たんだな」
鼎は嬉しそうな声を出す。

「春休みそろそろ終わりだし、その前に鼎さん達に会いたくて。学校始まるとなかなかこっちに来れないでしょ。夏休み・冬休みは行けるかなー。
でも要請出たらいつでも行くからね!」

「頼もしいじゃん、晴斗。あれから猛勉強と補習受けまくってギリギリ単位足りたんだって?それで進級出来たって、マジか。お前の馬鹿力すごいわ…」


宇崎は感心してる。

晴斗は体力バカであまり頭はいい方ではないのだが、あの戦い以降は無茶苦茶勉強しまくったとか聞いた。


晴斗が来てると知った御堂と時任・彩音・桐谷も、司令室にぞろぞろと入ってきた。


「一気に4人も来るなよ…」
宇崎、少し引いてる。


「え〜、暁くんが来てるから来たのにぃ。暁くん元気してた〜?」
いちかは相変わらず元気いっぱい。御堂も相変わらずぶっきらぼうに話す。

「晴斗、進級出来たのか。良かったな〜」
御堂はなぜか棒読みで晴斗の頭をわしゃわしゃしてる。彼からしたら晴斗の学校の話題は興味がない模様。

でも頭をわしゃわしゃしているあたり、気になってはいたらしい。

「御堂さん、俺犬じゃないって!」
「お前子犬みたいじゃん。リアクションが」


…子犬?


いちかはそれを見て笑ってる。久々に仲間の顔見れて良かったよ。



御堂は宇崎にあることを聞いた。


「怪人の残党はほぼ殲滅したんだよな。先週その報告入っただろ」
「じゃないとこんなにも暇にはならないでしょうが!ゼルフェノアが暇になるってたぶん初めてよ。開店休業状態だ」


晴斗は目が点になった。

ゼルフェノアが開店休業状態…?平和になったから暇ってこと?


「でもさぁ。室長とたいちょー、あの『闇の執行人』は怪人淡々と倒してるよね。たまにSNSで動画上がっているんすよ。何者かが撮ったみたいで気味悪いけどね。
本当はまだ怪人倒しきれてないんじゃないの?」


闇の執行人…あの黒衣の包帯女のことだ。顔から首にかけて包帯に覆われているため、正体不明。
動画ではボイスチェンジャーで声も変えているため、女性ということしかわからない。


本部のほんの一部の人間は、彼女がなんという名前かだけはわかっていた。

包帯女の名前は泉憐鶴(れんかく)。
ゼルフェノアの蔦沼長官管轄・ゼノク所属の「ゼノク特殊請負人」…らしいが、目撃情報が非常に少なく謎に包まれている。

おそらくSNSに上げられている動画は、組織の人間が何らかの意図があって上げたとしか思えない。ゼノクの人間の可能性は高そうだ。
毎回撮影場所が人気がないところばかり。カメラの位置も、誰かがいないと無理なアングルだったりするからだ。



そんな微妙な空気の中、解析班から連絡が入る。


「司令、以前とは違う怪人の目撃情報が出始めてる」
解析班・チーフの朝倉のはっきりした声がした。

「メギドじゃないやつか?」

「ぜんっぜん違うタイプのものよ。その怪人、人をさらっているみたいで警察も捜査しているわ」
「人さらいの怪人…?迷い人とは違うケースか…」


「迷い人」とはこの世界における、異空間に迷いこんでしまった人間のことをいう。
今回は怪人が人をさらっているため、状況が違う。


「…わかった。その怪人の分析頼む」
「既に分析始めてるわよ!暇から解放されて解析班、めっちゃイキイキしてるから」


あれから解析班も暇だったんだー…。
あいつらのことだからゲームとかしてそうだが。



その新たな怪人は鬼のような見た目をしていた。角が特徴的。



ゼノク・司令室。

通称・ゼノク3役の蔦沼・西澤・南の3人は、この新たな怪人を本部よりも先に発見していた。


「これが例の人をさらっている怪人か…。鬼か?角があるぞ…」

西澤は画像を分析してる。


「怪人が人をさらって何をしたいのか、それが問題だ」
「長官、人質がどこにいるか突き止めるのが先ではないですか?」

「異空間…違う異空間かもしれない。相手は怪人だからねぇ」
なんでそんなにも呑気なの!?

「長官、警察も捜査を始めているようです。消えた人間の数が以前の迷い人よりも多いんですよ?」
「ゼノクでも調査しているよ。その『鬼』について」



ゼノク地下・憐鶴の部屋。


そこには特殊請負人、通称・闇の執行人こと憐鶴と世話役の姫島が。

「新たな怪人の目撃ですか…サイト、どうしますか?一旦、依頼停止にしますか…姫島さん」
「そうですね…停止した方がいいかも。新たな怪人については調査中とのことですが、見た目が『鬼』のように角があるそうです」


憐鶴はPCをいじり、運営しているゼノク公認・怪人専門闇サイトの依頼募集を一旦停止にした。
新たな怪人の対処法がわからない以上、まずは調査結果が待たれるところだが。


「しばらく私の出番はなさそうですね…。それにしてもその鬼のような怪人、人さらいをしているのが引っ掛かりますが」
「長官の見解では異空間に人質を転送したのではないか?…と出ています。
それと警察が動いてます」


「怪人案件なんだから、警察は意味を成さないのに…」

「憐鶴さん、あの動画も上げる必要ないですよね。あれは長官の命であなたをダークヒーローに仕立てるため、作られた動画ですから」
「私がゼルフェノアの人間だと推理出来る一般市民はいるんですかね…。
あの黒い制服のロゴ、同じゼルフェノアのものですが、デザインが異なるので違う組織の人間だと思われてもなんらおかしくはない」


「本部も動いてるみたいですよ。怪人多発地帯が首都圏ですから」
「姫島さん、ゼノクにはまだ影響ないんですよね」
「それが…何か?」

「私と同じような怪人由来の重度の後遺症の覆面シンガー、彼女とは接触…出来ませんよね…。
最近メディアに露出しているあの人です」


あの覆面シンガーはさすがに難しいと思うが…。SNS発のシンガーだというが、本名も何もかも謎。
顔全体を隠してる女性シンガーだが、そのマスクがのっぺりしているためか「怪人由来の後遺症説」が濃厚。

パッと見、視界ゼロにしか見えない見た目も共通している。
めざとい人はその覆面シンガーの歌唱映像を見て、不自然さに気づく。顔を覆うマスクは布製なのだが、口元がモゴモゴしていない。


憐鶴も動画を見ためざとい人から「この人、口動いてなくね?」とコメントが来ることが稀にある。
数ヶ月前にいちかが憐鶴の素顔の一部をたまたま見た時に、思わず叫んだのとかなり関係している。



本部。晴斗はひとしきり仲間と雑談を終えて本部を出た。いちかは手を振ってくれた。
晴斗の愛用の対怪人用ブレード・恒暁(こうぎょう)が人間態になる。


「新たな怪人ってなんだろな〜」
「恒暁、軽いね…」

「見た目が鬼なんだろ?もしかしたら俺の出番、来る?来てくれ!暇すぎるんだー!!」


恒暁は相当暇をもて余していたようだ。



司令室でも鼎の対怪人用ブレード・鷹稜(たかかど)が突如、人間態になった。


「鼎さん、私に出番を下さい」
「お前、家事してるから出番は十分にあるだろ。主夫楽しんでるだろうが」

鼎はビシッと返す。


「そうじゃなくて…本来の出番が欲しいんです。ブレードとして」
「鷹稜は和希に預けても大丈夫か?…というか、使い手が和希でも問題ないか?」

「…え?」


「私は戦えない身体なんだ、お前が戦いたければ誰かに鷹稜を使って貰うしかない。お前は『私に繋がりが強い人間』なら力を発揮出来るんだろ?
和希とは繋がりがある…ダメか?」


ああ、鼎さんは御堂さんと付き合っていますもんね。


鷹稜、なぜか保護者目線になる。

「いいでしょう。なら御堂さんのところに私を預けて下さい!」
「お前はホント、わがままなブレードだな…」

鼎、仕方ないなという反応。



本部・休憩所。


鼎はブレードに戻った鷹稜を持ってきた。御堂は何が始まるの?…という目線で鼎を見た。


「和希、鷹稜を預ける。使って欲しい」
鼎はぐいっと鷹稜を渡した。御堂は戸惑いを見せる。


「鷹稜って鼎以外は使えないんじゃないのか!?」
「鷹稜が言ってた。『私と繋がりが強い人間』なら使えると」


鼎と繋がりが強い人間!?
だから晴斗は鼎のブレードが使えたのか。


「勝手に人間にならないよなぁ!?」
御堂、半信半疑。
「そこは大丈夫だ。ブレードは本来の使い手の前以外は人間の姿にはならないぞ」

それを聞いて安心したのか、ようやく鷹稜を受け取る。
「わかったよ。じゃあ鼎の鷹稜、使わせて貰うぞ」
「遠慮なく使えばいい。鷹稜は喜ぶだろうから」



新たな怪人は不気味に忍び寄っていた。


無題


話題:おはようございます。
昨日の拍手8個ありがとうございます。昨夜は大奥4話観てから寝たんですが、脇役の浜尾ノリタカがリバイスの狩崎にしか見えなくて、ドラマに集中出来なかった…。
次回からは綱吉編なんだ。


捨蔵のキャラも狩崎っぽかったせいかな…。オーバーラップするって。
大奥、出演者全体的に特撮出身俳優や特撮に出演してましたーな俳優さん、多くないか?

クレジット見たら、脇役にもどこかで見たことのある名前がちらほらと…。



オートミールにハマりそうでヤバい。オーツミルクばりにハマるかはわからないけど。
永谷園のオートミールでつくるスープごはんの素、あっさりしていて食べやすいな。おかゆ風にすると小腹満たしに最適だと判明。



自己満小説season2、話短めにする予定。短くて12話、長くて20話ちょっとかどうかくらいの。
season1が本編全54話と長かったけど、season2は鼎さんと憐鶴メイン。戦闘パートもあるよ。

season2は水面下で西澤室長活躍させたいかなー。西澤の扱い雑だったから。
一般市民の恭平は怪人案件に巻き込まれやすいんで、巻き込まれキャラとして出すつもり。


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