ログイン |
早朝のニュース番組(ニッポン放送『飯田浩司のOK!Cozy up!』=月〜金曜)を担当していると、「常に情報収集しなきゃいけないし、新聞も読まなきゃいけないし、寝る時間がないでしょう?」と、言外に(大変ですねぇ)という憐憫(れんびん)の目線とともに聞かれることがあります。
確かに、早起きは大変なんですが、夕方のニュース番組の時よりも放送直前や放送中にニュースが動くことが稀(まれ)なので計算が立ちます。これは、やってみて気づいたメリットでした。
特に最近は、紙面より先にネットに記事が載ります。かつてのように朝刊に目を通してから内容を決めることもなく、前夜のうちにある程度めどが付きます。
しかし、先週は珍しく慌ただしかったです。
岸田文雄首相の訪米で、私の番組が始まる午前6時直前に首脳会談や記者会見が終わり、一通りの情報が出そろうタイミングだったのです。日本時間12日未明の上下両院合同会議での演説など、起床するとすでに終了していて、タクシーの中でネットに上がった動画を見ながらスピーチ原稿を読み出社しました。
それにしても、今回の訪米中、岸田首相のテンションが常に高いように見えました。スピーチでも余裕をもって拍手を待ち、ジョークの後、リアクションを待っての話出しなど、日本語で行うよりも余程堂に入っている。
公式晩餐(ばんさん)会のスピーチでは、ジョー・バイデン米大統領の横で「広島」という、先の大戦を考えれば米側にはセンシティブな言葉を何度も出しました。議会演説でも、「ほぼ独力で国際秩序を維持してきた米国。そこで孤独感や疲弊を感じている米国の国民の皆さま」(日本語仮訳・外務省HPより)と、米国民のホンネに迫る表現をあえて使いました。そのうえで、「これからは私たちも共に背負っていく」と呼びかけ、内向きになる米国を批判するのではなく、包み込むような表現は見事でした。
一方で、われわれに課された課題も多いと思います。
同じ演説中、「今の私たちは、平和には『理解』以上のものが必要だということを知っています。『覚悟』が必要なのです」「必要なときには、より良い世界へのコミットメントを果たすために、尊い犠牲も払ってきました」(同)と、米国のリーダーシップを表現しました。
今後、これをともに背負う用意が日本にあるのか? 国内の議論と比べ、演説が先走った感も否めません。ただ、日本を取り巻く情勢が、いや応なく「覚悟」を求めているのは肌で感じるところです。
■4・28横浜で番組イベント開催!
今後番組では、ここを掘り下げて議論していきたいと思います。今月28日に開催する番組イベント「飯田浩司のOK! Cozy up! 横浜ベイサミットin神奈川県民ホール」でも議論の中心となるでしょう。チケットのお求めなどは番組ホームページ(https://www.1242.com/cozy/)のバナーからイベント特設ページをごらんください。
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月〜金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。