シャニマス四百四十九日目。
似合うかな?がBランクフェスアイドルになりました。
ビジュアル型です。準決勝ダンス一位、ビジュアル三位で余所見していたら負けていました。途中経過全然見てないから何がどうなったかわかりません。育成に失敗したことだけはわかります。
風の吹き抜ける音がした。俄に広間の入口が騒がしくなる。
「エラム様――乱入者です!」
部下の声に振り向くと、雷火の魔女が少年を連れて傭兵達と戦っていた。
「あいつらは傭兵達に任せておけ。賃金分は働いて貰わねばな」
「はい!」
「念の為儀式は早める。出力を上げろ」
風切り音と剣戟の音、弓を引く音がこちらにも聞こえてくるが、魔術の詠唱に掻き消された。
小さな音を立て、複雑怪奇な幾何学模様が虚空に浮かび上がる。磔にされた少女が苦悶の表情を浮かべた。
「ほう」
エラムは目を細めた。髭の整えられた顎を撫でる。
「意識を失って尚抵抗なさいますか、プリンセス。流石は妖精の精神力。ですが、貴女には何も出来ませんよ。その力を使いこなす術も、自身を守る術も知らない貴女は只の子供です」
少女は答えない。その顔色がどんどん蒼褪めて行く。エラムは満足気に頷いた。計画の万全さに頷いたのだ。
「貴女の人生は私に利用される為に存在したのですよ。そう何度も説明した筈ですがね……」
「――いいえ!」
声が響くと同時、紫電が轟いた。
「はっきりと言うわよ。あんたに否定を叩き付けてあげる」
聞き覚えがあるどころではない。
「雷火の魔女……!!」
エラムは苦々しくその名を呼んだ。