学パロでの西さんとメイアンのお話です。
西さんは大きな家で一人、ということで…
こういう家庭訪問も良いと思うのです←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
西さんの家に家庭訪問するメイアン
独りで過ごすことに慣れてる西さんはちょっと戸惑うかなとか…
メイアンはそんな西さんを気にかけてそうです(^q^)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
広い広い、邸宅。
その一室……
そこで机に向かう、一人の少年……西。
彼は溜め息を一つ吐き出す。
そして伸びをした。
静かな部屋。
誰も居ない、大きな邸宅……――
それが、西の家だった。
慣れた空間。
そこで過ごす休日。
それは酷く退屈なものだった。
と、その時。
チャイムが鳴った。
聞こえたその音に彼は課題から視線を上げる。
「ん……?」
今日来客の用事なんてあっただろうか。
そう思いつつ、彼は玄関に向かう。
「はい……」
どうぞ、といいつつ彼はドアを開けて……
驚いたように目を見開いた。
そこにいたのは、長い金髪の男性……メイアン。
彼はにっこりと微笑んで、西に手を振った。
「はぁい、西?」
元気にしてる?
そんなメイアンの問いかけで、西は漸くはっとする。
「え、あ、メイアン……?」
動揺した声をあげる彼。
そんな西を見て、メイアンはふわりと微笑んで、いった。
「いきなりきちゃってごめんなさいね?」
そういって首を傾げるメイアン。
西は幾度も瞬きをした。
「な、何でお前が此処に居るんだよ……」
西は驚きの表情で言う。
メイアンはそんな彼を見てふわりと微笑んだ。
そして、首を傾げながら、いった。
「ふふ……あまりに素行が悪い生徒への家庭訪問よ」
そういって小さく笑うメイアン。
西はそれを見てぽかんとした顔をした。
そして、小さく溜め息を吐き出して、いう。
「……俺の学校の教師でもないのにか?」
「でも気になったんだもの」
しれっとそういうメイアン。
西はそれを見て、小さく息を吐き出した。
「……気になった、でわざわざ来たのかよ」
「家は教えてくれたから」
だから遊びに来たのよ、とメイアンはいう。
その発言に西は小さく噴き出した。
「遊びに来た、っていってるじゃん」
「あぁ……うん、だから、家庭訪問よ」
そういいながらメイアンは小さく笑った。
その後、彼に小さく首を傾げる。
「今……良いかしら、その……」
メイアンは口籠る。
そして、目を伏せた。
気にかかっていた西の所に行こうと思い、彼の学校で彼の家を聞いたとき……
彼の保護者が居ない、という話を聞いた。
だから、"御両親は?"という質問は呑み込んだのだけれど……
今いいか、とは聞きたい。
無理矢理上がり込むつもりはなかった……
けれど。
「……どうせ暇だから、構わねぇよ」
西はそういうと、扉を開けた。
メイアンはそれを聞いて少し驚いたように瞬きをした。
それから嬉しそうな顔をして、西の家にあがった。
***
そうして家に上げてもらったメイアンは、少し驚いていた。
その家の、大きさに。
外から見ても大きな屋敷だとは思っていた。
しかし中に入れば、それは顕著。
マンションの一室で一人暮らしをしているメイアンからしてみれば、
こんな大きな家に上がるのは滅多にない話だった。
「どーぞ」
西はややぶっきらぼうに茶を出す。
メイアンは微笑んで、"ありがとう"といった。
西は彼から少し離れたところに居心地悪そうに座る。
「……どうしたの?やっぱり迷惑だった?」
メイアンは少し心配そうに彼に問いかける。
西は気にしないとはいっていたけれど、やはり迷惑だっただろうか?
そんな不安げな顔をするメイアンを見て、西は少し視線を揺るがせる。
それから彼は小さく首を振って、いった。
「いや……
別に、嫌ってわけじゃないんだけど……」
そういって口籠る西。
メイアンがきょとんとして首を傾げると、西は小さく息を吐き出して、いった。
「……この家に俺以外の人間がいるの、久しぶり過ぎて……
何だか少し、落ち着かないんだよ」
西はそう呟く。
メイアンはそれを聞いて、目を丸くした。
この広い家に、一人?
誰かが居るのが、久しぶり……?
そんな言葉に、驚いた。
確かに、話は聞いていた。
彼は一人暮らしだ、と。
てっきりアパートかマンションだと思っていたから、
こんな大きな家で驚きはしたのだけれど……
心の何処かで信じていなかったのかもしれない。
こんな家に誰も居ないはずがない。
誰かが一緒に居るだろう、と。
しかし実際は違うという。
西は本当に一人でいるのだ、と……――
メイアンはそれを痛感して、目を細めた。
それから、呟くような声で言う。
「……そう。
迷惑だったら、すぐに帰るから……」
すまなそうにそういうメイアン。
西はそれをちらと見て、ふっと息を吐き出した。
そのまま、目を伏せる。
―― あぁ、またか。
彼は、そう思う。
今までと同じだな、と思って。
バイクでの通学や、そのあとの説教での態度。
それを咎める教師は多くいた。
けれど……
幾度か説教をすると、それもぱったりと途絶えてしまう。
それは、西の境遇故。
それを知った教師たちは、彼奴はああいう境遇だから仕方がない。
そんな想いからか、教師たちは彼を叱るのをすぐにやめてしまうのだった。
きっと、メイアンもそうだ。
殊更、彼は他校の教師なのだし……――
「……あのさ」
「ん?」
何?と首を傾げるメイアン。
西は少し戸惑いつつ、言った。
「何でわざわざ俺のとこに?」
「?さっきも言ったでしょ、気になったからよ。
来てよかったと思ってるわ」
―― 貴方のことも、知れたしね?
そういって微笑むメイアン。
その表情は穏やかで、優しくて……
今まで関わってきた人間と少し違う反応に、西は少し面食らっていた。
「……そう、かよ」
どういっていいのかわからないまま、西はぼそりとそういう。
メイアンはそんな彼を見てくすくすと笑った。
そして、思う。
彼は、もしかして……
こんな広い家に独りきりで暮らす寂しさから、あんな規則やぶりをしているのでは?
そんなことを思って……
「というわけで……
バイク通学、いい加減にしなさいよ?
私にいちいち叱られるのも面倒でしょ?」
メイアンはそういって微笑んだ。
「うるせぇ、俺の勝手だろ?」
そうしたいんだよ、と西はそういう。
そして、にっと笑った。
「カッコいいだろバイク。
ほんとは車もほしいんだけど……」
そういう彼。
それを見て、メイアンは苦笑を洩らす。
「懲りてないでしょ、こら」
ぽん、と軽く頭を小突くメイアン。
その手は、優しい。
「事実いってるだけだよ」
そういって肩を竦める西。
メイアンはそれを見て小さく笑った。
「ふふ……
まぁ、貴方らしいとは思うけどね」
そういって笑うと、メイアンは立ち上がる。
そして、いった。
「じゃあ、またね。
交流授業の時を楽しみにしているわ」
そういうと、メイアンは帰っていった。
西はそれを見送ってふっと息を吐き出す。
「……ほんと、変わった奴……」
彼はそう呟いて、目を細める。
自分の境遇を知っても尚、自分に関わろうとする人間……
それは珍しくて、気にかかっていたのだった……――
―― 気にかかる存在 ――
(俺のことをやたらと構う、他校の教師。
広い家に久しぶりにあった、ほかの誰かの存在)
(ねぇ、貴方は本当にこんな家に一人でいるの?
それがどうにも、気にかかってしまって…)
2015-1-31 15:39