メイアンと西さんのお話です。
こういうほのぼのなお話書きたくて…←
教師になれたからこそ仲良くなれたって、いいですよね←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
メイアンとカルセについてふと疑問を抱く西さん
メイアンは元々教員志望だったんじゃないかなぁとか(笑)
色々話を聞いてた後にこういうノリになって照れる西さんなら可愛い
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
静かな放課後の化学準備室……
そのソファに腰かけながら、黒髪に金の瞳の少年……西は視線を机に向かう恋人の方へ向けた。
机に向かい、カリカリとペンを走らせている金髪の男性……メイアン。
彼は西の視線に気が付くこともなく、仕事を続けている。
その様子を見て目を細めると、西は彼に声をかけた。
「なぁ、メイアン」
その声にメイアンは手を止める。
そして西の方へ振り向きながら、彼は小さく首をかしげた。
「なぁに?」
どうしたの?
そう問いかけるメイアンに、西は少し視線を伏せる。
そして少し迷ってから、口を開いた。
「カルセさんと、仲良いよな」
唐突な彼の問いかけ。
それを聞いてメイアンは不思議そうな顔をする。
「私とカルセが?何を唐突に」
メイアンはそう呟いて首を傾げた。
西はそれを聞いて小さく頷く。
そしてふっと笑うと、いった。
「あぁ……何でだろう、って。
そんなに長く同じ学校勤めてるのか?
でもメイアンの年的にまだ教師になって二、三年だろ」
ふと、思うのだ。
カルセとよく一緒に居るメイアン。
彼らはとても仲が良いように見える。
教員同士が親しくなるというのはもっともなのだが、それにしたってメイアンは教員になってからそんなに時間は経っていないはず。
そんな期間でこんなにも親しくなることはありうるのだろうか。
西はそう思ったのだった。
メイアンは西の問いかけに少し考え込む顔をする。
それから少し迷うような表情をうかべて、いった。
「私の初任校は此処だしそのときからカルは此処にいたからそれも間違ってないけど……」
んー、と少し考え込む顔をしながら、彼は言った。
「私とカルセは昔馴染みなのよ。
昔馴染みっていっても、カルの方が私より六つくらい年上だけど」
私にとってはかなりお兄さんみたいなものね、とメイアンは言う。
それを聞いて、西は言った。
「へぇ……じゃあ一緒に大学、には行けてないか。
大学時代から一緒に教員になろうと思ってたわけじゃないんだな」
そんなにカルセとメイアンに年の差があったのも少し驚きだ。
見た目よりカルセは年が言っているのだな、と思う。
西の言葉にメイアンは頷く。
そして、遠い昔を思い返すように、彼はいった。
「そうね。
そもそも私驚いたのよ、カルセが学校の先生になってたことに」
「え?」
彼の言葉に西は少し驚いた顔をする。
意外だった。
損な表情で。
メイアンは西を見てふっと笑う。
そして呟くように言った。
「カルセは私が大学に入学した年に医学部を卒業しててね、てっきりお医者さんになると思ってたから」
「え。そうなのか」
そうなのか、と西は呟くように言う。
それを聞いて、メイアンは小さく頷いた。
そしてふっと遠くを見るような表情を浮かべながら、いった。
「えぇ。
……まぁ、本人もそうしたかったみたいなんだけど、出来なくなったっていってたわね」
本当は医者になりたかったらしい。
しかしそれが叶わなくなったと、メイアンもカルセに聞いている。
西はそれを聞いて、瞬きをする。
そして、メイアンに首を傾げて見せつつ、言った。
「……ふぅん。
メイアンは、元から先生になりたかったのか?」
思えばそんな話も聞いたことがなかったな。
そう思いながら西はメイアンに問いかける。
メイアンはその言葉に小さく頷いた。
そして、小さく溜息を吐き出しながら、言った。
「えぇ。
子供は好きだったしなにかを教えるのも好きだったしね」
それに、ね。
メイアンは悪戯っぽく笑う。
そして、穏やかに笑いながら、いった。
「よかったと思ってるわよ、教師になって」
そういって微笑むメイアン。
それを聞いて西は不思議そうに瞬きをした。
首を傾げつつ、メイアンに問いかける。
「?どうして?」
そう問いかける西。
それを聞いてメイアンはふわりと微笑んだ。
そして一度席を立って、西の方へ歩み寄る。
そのままぎゅっと西を抱きしめた。
「メイアン……?」
唐突な彼の行動に西は少し驚いたような顔をする。
彼を見てふわりと微笑むと、そっと西の頭を撫でながら、いった。
「西に出会えたから」
微笑んだまま平然とそういうメイアン。
西はそれを聞いて、大きく目を見開いた。
「なっ、……」
恥ずかし気もなくそういう彼に西は頬を赤く染める。
メイアンは彼の頭を撫でながら、微笑んだ。
そして、愛しげに西を抱きしめながら、歌うような声で言った。
「だってそうでしょう?
私が教師になってなかったら出会うことさえなかったもの」
改めて、そう思う。
自分がもしも教師にならなければ。
自分が此処に赴任しなければ。
きっと自分と西が出会うことはなく、恋人同士になることもなかっただろう。
それを想うと、何だかうれしい。
メイアンはそういって嬉しそうに微笑んだ。
それを聞いて、西は幾度も金の瞳を瞬かせた。
そして、顔を赤く染めながらそっぽを向いて、呟くように言った。
「そ、そりゃ、確かに、そうかも、な……?」
確かに、そうだ。
西も、そう思う。
彼が教師として自分に関わらなかったら。
きっと自分は今も、昔と変わらなくて……――
「俺も、良かったと思う、よ」
ぼそり、と呟くように言う西。
それを聞いてメイアンはふわりと微笑んだ。
「ふふ、西もそう思ってくれてるなら嬉しいわ」
そういってメイアンはぎゅっと西を抱きしめる。
そして彼の頬にキスを落とした。
彼の行動に少し照れたように頬を赤く染める西。
その様子を見てメイアンは目を細める。
そして"貴方と一緒に居られて幸せよ"と改めたように言う。
「……おう」
西は小さく応じる。
メイアンはそっと彼の頭を撫でながら、緑の瞳を細めていたのだった。
―― Fate… ――
(それが運命だったのか偶然だったのか…
それは分からないけれど私は今がとても幸せなの)
(隣に微笑む愛しい恋人がいて。
彼のはにかんだ表情が間近で見られることが何より、ね…?)