金髪銀髪コラボ&アクロとアドリアーノさんのお話です。
ずっと一緒に居るんだからこういうこともアリかなと…←
*attention*
金髪銀髪コラボ&アクロとアドリアーノさんのお話です
ジェイドもちらっと
ほのぼのなお話デス
二人に起きた変化とは
戸惑いつつ喜ぶお二人ならいいなとか
クオンとアクロは支えると思うのです
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
「うわぁああっ」
不意に響いた声に、アクロは驚いて目を見開いた。
漸く目を覚まして顔を洗いに行っていた時の出来事。
部屋に遊びに来ている青年……アドリアーノの驚きのような、悲鳴のような声。
それを聞いて、アクロは慌てて部屋に戻った。
敵襲?
アドリアーノはこの世界の人間ではないし、そうでなくとも見た目が整っている。
手を出されても、何かされても、驚きはないわけで。
驚いて、アクロは部屋に飛び込む。
すると、部屋の上にぺたりと座り込んでいるアドリアーノの姿があった。
それを見て、アクロは目を丸くする。
「アドリアーノ、どうした?!」
アクロが驚いて彼に問いかけると、アドリアーノは顔を上げる。
その表情はやはり完全に驚いた表情。
一体どうしたんだとアクロが問いかけると、アドリアーノは自分の手を出す。
そして、震える声で言った。
「な、なん、か、今いきなり、火の粉出た……」
そう声を上げるアドリアーノ。
それを聞いて、アクロは目を丸くした。
「え、火の粉って……」
「いきなり出たんだよ……さっきお前がしてたみたいに、手を振ったら」
アドリアーノが驚いて目を見開く。
だって、自分が手を振って起こしたことといえば、魔術で氷を出すということ。
魔術ってどんなんだ、と問うたアドリアーノ。
こういうこと出来るんだぞ、とアドリアーノに見せたのだった。
「え、それって……魔術?」
そうといかけるアクロ。
アドリアーノはわかんねぇよ、といいながら眉を下げる。
彼は完全に困惑している様子だった。
「とりあえず……もう一回、やってくれるか?」
「え?」
アドリアーノはアクロの言葉に少し困ったような顔をする。
困ったというよりは、少し戸惑い、恐れるような表情。
アクロはそんな彼を見てふっと微笑みながら、彼にいった。
「大丈夫だ。俺がちゃんと見てるから」
怖いことねぇよ、と笑うアクロ。
アドリアーノはそれを見ると、小さく頷いて、こわごわ指を振った。
刹那、ぽっと指先に点る明かり。
それを見て、アドリアーノはやはり焦ったような顔をした。
こんなこと、今まで出来なかったのだから当然だろう。
アクロは慌てた顔をしているアドリアーノを見てそっとその肩を叩いた。
「大丈夫だ、落着け」
そう、優しく声をかけられる。
そしてアクロはそっとアドリアーノの手首を握った。
冷たい手が、優しい声が、アドリアーノを落ち着かせる。
彼はこわごわと、自分の手元を見た。
ゆらり、と揺れる炎。
それを見て、アクロは目を見開いた。
「すごいな……お前、元々使えないだろ、魔術」
「俺に、使えるはず、ないだろ……だからこんなにびっくりしてるんだよ」
そう呟く彼の声は裏返っている。
アクロはそんな彼を見て少し悩む顔をする。
それから、アドリアーノの手をそっと握って、"それ消して"という。
「消す、って……」
「多分念じれば消えるから大丈夫だよ」
アクロがそういうと、アドリアーノはそうして、炎を消す。
良し、というとアクロはアドリアーノを連れて部屋を出た。
まだ、少し陽は出ている。
アクロは眩しそうに目を細める。
アドリアーノはそんな彼に声をかけた。
「大丈夫か、アクロ……」
「ん、平気だ」
大丈夫、と答えるアクロ。
彼はそっと自分の瞼をなぞって、言った。
「……これで良し」
どうやら、魔術で目を保護したらしい。
アドリアーノはそんな彼を見ながら、不思議そうに首を傾げて、言った。
「でも……何処行くんだ?」
こんな時間にアクロが外に出ると言い出すのは珍しい。
一体何処に行くのだろうとアドリアーノは思ったのである。
アクロはそしてふっと微笑みながら、言った。
「医療棟」
「医療……何でだ?やっぱり何処か痛いのか?」
眉を下げて心配そうに問いかけるアドリアーノ。
アクロはそんな彼を見ながら"そういうもんじゃないよ"と笑った。
そして、説明する。
「医療部隊長……ジェイド、わかるだろ? あの人なら、多分何かわかるからさ」
突然アドリアーノが魔術を使えた理由。
それを、アクロはジェイドに聞こうと思ったのである。
アドリアーノはそれを聞いて瞬きをする。
ジェイドのことは、アドリアーノも良く知っているけれど……
「……きいたら、ほんとにわかる、かな」
そう問いかけるアドリアーノ。
やはり、唐突に魔術が使えるようになってしまったのが不安なのだろう。
アクロはそんな彼の不安を拭おうとするように彼の頭を撫でながら、言った。
「大丈夫。多分そんな怖いもんじゃないからさ」
アクロはそういって目を細める。
そして彼と一緒に、医療棟に向かったのだった。
***
「え?クオン様、と……」
「リエンツィ……」
思わず、アドリアーノとアクロは驚きの声をあげた。
というのも、訪ねていった医療棟の一室……ジェイドの部屋に、クオンとリエンツィの姿があったからで。
「あれ、アクロ」
「アドリアーノ……どうしたんですか?」
二人も驚いたようで、瞬きをする。
ジェイドはそんな四人の姿を見てくすくすと笑った。
「おそらく、同じ用事ですね、アクロ、アドリアーノ……
魔術が、使えるようになったんでしょう?」
「えぇ。アドリアーノが……ってことは、リエンツィさんも?」
そう問いかけるアクロ。
するとクオンと一緒に座っていたリエンツィは小さく頷いた。
そして、戸惑いながらクオンの方を見る。
すると、先程アクロがアドリアーノにしたようにクオンがそっと手を撫でてやった。
「見せてやれよ。リエンツィ」
「はい……」
リエンツィは彼の言葉に頷くと、魔術を使う。
小さな植物がぽん、と彼の手の上に現れた。
「うわ、ほんとだ」
「植物属性なんだな」
アドリアーノとアクロはそう声を上げる。
クオンはアドリアーノの方を見て、首をかしげた。
「アドリアーノは?」
「俺は……ほら」
そういいながら、アドリアーノは先程のように、炎を出現させる。
どうやら少し落ち着いてきたようで、魔力は安定していた。
「アドリアーノは炎属性なんですね」
そんな彼らの様子を見ていたジェイドはそう呟いて目を細める。
それから、言った。
「おそらく、元々二人が持っていた魔力なのでしょうね。
普通、貴方たちの国では魔力が使われないから覚醒することはないのに、この世界に来たことで魔力が覚醒してしまったんでしょう」
ジェイドは二人に起きたことを考え、結論を出す。
元々魔力は誰しもが持っているものなのだ。
それを磨くことでこうして魔術が仕えるようになる。
おそらく、この世界に、この城にいる間に、魔力が上手く安定して、使えるようになったのだろうと。
「なるほど……」
「別に危険はないんですよね」
アクロはジェイドに問いかける。
するとジェイドはふわりと微笑んで、頷いた。
「えぇ。寧ろこの国で生きていくのには良いことですよ。
ね、クオン?」
「あぁ、そうだな」
クオンも彼の言葉に同意する。
リエンツィとアドリアーノは顔を見合わせて……それから少し照れたように、笑みを浮かべる。
「ちょっとでもお役に立てるようになるなら……
私は、嬉しいです」
「……俺も、まぁ……守られてばっかりってのはな」
戦えるならそれでいいや、とアドリアーノ。
アクロは"無理はすんなよな"といって笑いながら彼の額をつつく。
そんな彼の行動に唇を尖らせるアドリアーノを見て、リエンツィとクオンも小さく笑う。
ジェイドも彼らの様子に微笑み、穏やかな空気が部屋の中に満ちたのだった。
―― 変化と受容と ――
(変わっていく、何か。
でもその変化はこの世界の中では大切な変化で)
(貴方に恩返しが出来るなら。彼と共に生きられるなら。
この変化も、悪くはないだろうな…なんて)