珍しいペア、アルとシストのお話です。
シスちゃんはあれでいて案外体が弱いです。
というか、無理をするからよく倒れます。
その時に、寝ぼけてというか、
熱に浮かされてこういうことがあるんじゃないかな、と。
アルは医療部隊の人間として、そして友人として、
シストのことを心配しています。
ともあれ、シリアスっぽい&ハギレの悪い終わり方をしています(笑)
OKという方は、追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
珍しいペア、アルとシストのお話です。
シスちゃんはあれでいて案外体が弱いです。
というか、無理をするからよく倒れます。
その時に、寝ぼけてというか、
熱に浮かされてこういうことがあるんじゃないかな、と。
アルは医療部隊の人間として、そして友人として、
シストのことを心配しています。
ともあれ、シリアスっぽい&ハギレの悪い終わり方をしています(笑)
OKという方は、追記からどうぞー!
「まったく……シストさん、無茶のしすぎですよぅ……」
アルは小さく呟いて、シストの額においたタオルを手にとった。
冷たかったタオルはとっくに微温くなっていて、アルは思わず顔を顰める。
「こんな熱が出るまで仕事を続けること、ないのに……」
なんでここまで無茶をするのか、とアルは溜息をついた。
***
遡ること数十分。
フィアが慌てて部屋に飛び込んできたのだ。
―― シストが倒れて……!
あそこまで取り乱した様子を見せるフィアは珍しいのだが、
やはりパートナーのことが心配だったのだろう。
部屋に飛び込んできた、という表現が正しくで、
廊下を駆けてきた彼を見た騎士たちは驚いた顔をしていた。
そんなフィアを宥めつつ、シストの部屋に来て見れば、この有様。
机の上には大量の書類が積まれていて、彼はその作業中に倒れたらしい。
幾枚か、床にも書類が散らばっていたから。
心配そうなフィアを"感染ったら大変だから"と言って追い出し、
自分は医療道具を取りに行って、
そのままずっと、ここで彼を看ているのだった。
まったくもう、と呟きながら、
アルは傍に置いてあった洗面器にはった冷たい水にタオルをつける。
それをもう一度シストの額の上に置くと、シストが一瞬顔を顰めた。
「これだけ熱が高ければ当然ですよね……」
溜息を吐いて、アルはシストの顔を見た。
色の白いシストの頬は熱のために赤くなっていて、吐き出す息は速い。
さっき起きている時に話を聞いたが、頭痛と目眩が酷いと言っていた。
薬を飲ませたかったのだが、物を食べる気にならないというので、
仕方なくそのまま寝かせたのだが……
これでは熱が下がりませんよ、とアルは呟いた。
次に目を覚ましたら、少しでもなにか食べさせて薬を飲ませよう。
それができなければ点滴でもなんでもしないと、本気で熱が下がらない。
「ジェイド様に相談すべき、かな……」
アルが呟いた、その時。
ふ、とシストの目があいた。
シストさん、と声をかけようとして……気づく。
彼の目は、アルを見てはいなかった。
寝ぼけている、のだろうか。
焦点が合わない目を泳がせるシストは、
何かを、否、誰かを探しているようだった。
「……ルド……」
は、と吐きだした呼気に混ざる、声。
アルは目を見開いた。
虚ろに揺れる、アメジストの瞳。
―― えるど。
彼の口が紡ぐ名。
切なげに、悲しげに、シストは何度もエルドを呼んだ。
彼の目には、見えているのだろうか。
かつて失った、パートナーの姿。
行かないで、と小さく動く口。
目の端から流れた涙が、白いシーツに染み込んで。
アルは悲痛そうに顔を歪めて、そっとシストの頬に触れる。
「シスト、さん……それは、幻影(まぼろし)ですよ……」
アルは、小さく呟く。
残酷な言葉かもしれない。
否、そもそも届いていないかもしれない。
しかし、アルは言わざるを得なかった。
それは、幻。
貴方のパートナーは、もういないのだ。
―― 不安、だった。
高熱に魘される彼が、居なくなった人の名を呼ぶのが。
そんなはずはないと理解しつつも、彼が……シストを連れて行ってしまう、
そしてシストはそうなることを願ってしまっている気がして。
ぎゅ、とシストの手を握るアル。
「シスト、さん……」
小さく、名前を呼んだ。
気づいて、気づいて。
返事をして、お願いだから……
そう、願うように。
すると、彼の目がアルを見る。
相変わらず呼吸は荒く、涙で潤んだ瞳ではあるが、
確かにアルを見つめている。
「あ、る……」
「シストさ……」
「な、んで……おま、え泣いて……」
アルの大きな瞳からはボロボロと涙がこぼれ落ちていた。
シストはそれを見つめて、不思議そうな顔をする。
アルはごしごしと目をこすりつつ、いった。
「シス、トさん……が、悪……っ」
「おい、なにいって、んのか……」
わかんねぇよ、と言うシスト。
苦しげではあるが、しっかり意識はあるようで。
今、ここにいる、此処を見ている、シスト。
体を起こしたシストをアルは抱きしめた。
シストは驚いて、大きく目を見開く。
「な、ん……」
「シストさん、何処にも行かないで、ください……!」
アルは泣きながらシストに言う。
シストは困惑しつつ、それを抱きとめていた。
「どこ、に……行く、って……?」
「シスト、さん……!すごく、遠くを、見てるから……!」
―― 不安なんです……!
アルは詳しくは、言わなかった。
言えなかった。
"貴方がエルドさんのところに行ってしまう気がした"なんて。
だから、シストはただ、困惑するばかりで。
アルは、彼に抱きついたままで泣き続ける。
―― 杞憂だと知っている。だけど…… ――
(お願い、何処にもいかないで。
お前が何で泣いているのか、俺にはわからない…)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |