赤髪金髪コラボで若干深夜テンションです←おい
素直じゃないライニさんと素直すぎるアネットの対比を書きたかった…
けれど、どうにも…うん(ぇ)
*attention*
・赤髪金髪コラボです(BL注意)
・アネットは基本寂しがり屋です。
暫く会ってなくて不安になったんだと思います(おい)
・アネットの発言は全て素です
・でも、ライニさんは事実美人さんだから…ね?
・とりあえず、黙ろうかアネット
・ライニさんごめんなさい
・ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がokという方は追記からどうぞー!
―― ある月の綺麗な夜。
ハイドリヒは小さく聞こえたノックの音に目を開けた。
元々音には敏感な方だ。
完璧に寝入っていたわけでもないため、すぐにそれに気づき体を起こす。
時間は、とうに深夜を回っていた。
「……何方ですか」
若干不機嫌そうにドアの方に声を返す。
すると……
「俺、アネット」
「アネットさん?」
ちゃんとノックをするとは珍しい、とハイドリヒは思う。
否、それ以前……こんな時間に、なんの用事だろう
少し寝乱れていた髪を直して、"どうぞ"と返した。
部屋に入ってきた、赤髪の青年に問いかける。
「どうかしたんですか?こんな時間に」
「なんでも、ないんだけど……ラインハルトの顔を、見たかったんだ」
ハイドリヒはその返答に少し驚いた顔をした。
そして、少し呆れたように溜息をつく。
「……アネットさん、時計見えてます?」
「夜中……」
「わかってるなら、どうして……」
ハイドリヒは言葉の先を飲み込んだ。
アネットがベッドの上に座っている彼に抱きついてきたから。
必然、ハイドリヒはベッドの上に倒れ込み、
アネットに押し倒されたような体勢になる。
ハイドリヒは呆れたようにアネットの体を押した。
「アネットさん、降りてください……」
アネットは少し体を浮かせたが、ハイドリヒを見つめたままベッドを降りようとはしない。
一体何のつもりです?と聞くと一度軽く抱きしめられた。
「いーじゃん……お前の顔を見たくなった」
ハイドリヒはそういう彼を見て、思い出す。
そういえば、最近は互いに仕事が忙しくて顔を合わせることが少なかった。
思うより目の前の彼は、寂しがり屋らしい……そう思う。
けれど、それと同時に……
自分自身も、目の前にいる赤髪の彼の姿を久しぶりに見て、
少しほっとしたような気がしていた。
「なぁ……ラインハルト」
「何、ですか」
普段あまり聞かないアネットの真剣な声に、ハイドリヒは少し面食らう。
顔を上げれば、真っ直ぐに自分を見据えている。
どうしたんですか、と問いかけようとしたその刹那……
「ん……っ」
不意に重ねられた唇。
ハイドリヒは驚いてその碧い目を見開く。
彼の行動は読めない、と常々思っていたが……
「ふ、……っ」
は、と荒く息を吐くアネット。
彼からしてきたくせに、彼の方が苦しそうだ。
ハイドリヒは"大丈夫ですか?"と訊ねる。
アネットは恨めしげに彼を見つめた。
「……何で、ラインハルトは、平気な顔をしてんだよ」
何か悔しい、とむくれるアネット。
ハイドリヒはそんな彼を見つめて、言った。
「相変わらず……下手、ですね」
慣れていないのがよくわかる、下手なキス。
息を上手く継ぐこともできないから苦しいのだ。
そう言ってやるとアネットはより一層拗ねたような顔をする。
「うるせぇ……だったら、ラインハルトが慣れさせてくれよ」
無茶なことをいう、と思いつつハイドリヒは小さく、妖艶に笑った。
その表情を見て、アネットは目を丸くした。
―― 煽られる熱情。
闇の中でも目立つ碧い瞳。
白いシーツにひろがる美しい金の髪。
アネットは少し迷うように視線を泳がせてから、そっとハイドリヒの首筋にくちづけた。
一瞬こわばるハイドリヒの体。
その反応を見て、アネットは顔を上げた。
「……嫌、か?」
問いかける、不安げな声。
顔を離したアネットは不安そうに瞳を揺るがせている。
普通そういうことを聞かないだろう、とハイドリヒは思う。
しかし、彼と暫く一緒にいて理解したことが一つある。
―― 言葉にしてやらないと、伝わらない。
真っ直ぐすぎる彼は、言われたことをそのままに受け取る節がある。
言葉の裏に込められた意味だとか、建前に隠れた本音だとか、
そういったものを察するのがかなり下手だ。
もしこのまま自分が黙っていたら、きっと彼はまたいらぬ誤解をするのだろう。
「……馬鹿なことをいわないでください」
ハイドリヒはそっけなく、そういう。
馬鹿なことを考えるな、と。
かつて……思いを告げる前に苦しんだ理由はそれなのに。
今も、"仕事"をこなす上で罪悪感を感じる理由はそれなのに、と。
アネットはその返答に幾度か瞬きをしてから……嬉しそうに、笑った。
「ラインハルト……大好きだ」
彼の、口癖のような言葉。
"大好きだ"と、幾度も紡がれるその言葉。
幾度も聞いた言葉なのに嘘には聞こえないから不思議だ。
自分は、滅多にその言葉を彼に告げることはできないけれど……
アネットはそっと、ハイドリヒの服に手をかける。
少しずつ肌蹴させられた肌に触れる、アネットの手。
確かな力と、強さを持った手。
それでも、"仕事"で彼を抱く男とは明らかに違う、優しさを灯した指先。
アネットはもう一度"ラインハルト"と彼の名を呼び、唇を合わせた。
躊躇いつつも求めるように差し入れられた舌を受け入れ、絡める。
「ん、ぅ……っ」
「ふ、……ぅ」
何度も角度を変えて、口付ける。
少なからずハイドリヒもアネットの表情に、息遣いに煽られて、
少しずつ息が上がっていた。
「アネット、さん……?」
「へへ、ラインハルト、も……ちょっと、苦しかった?」
勝った、というように笑うアネットに、ハイドリヒは顔を顰めた。
全く、という顔をしてやれば彼の笑はより深くなる。
「前と、同じだよ……俺は、ラインハルトの、色んな顔見たいんだ」
―― 誰よりも、一番近くで。
アネットはそう言うと、肌蹴られたハイドリヒの首筋にキスを落とした。
不器用に、それでも愛しげにハイドリヒの腰の細いラインを指先でなぞる。
乱暴でない、優しい愛撫。
少しずつ、様子を窺うようなその手つきと、愛しげに細められるガーネットの瞳。
そのもどかしさにハイドリヒは軽く体を捩った。
「は、ぁ……んっ」
「……ライン、ハルト……っ」
耳元で小さく、震えるアネットの声。
切なげな吐息が耳に掛かり、ハイドリヒも小さく吐息を漏らす。
甘えるように擦り寄る彼の体温にさえ、悦楽を感じる。
「ひ、ぁ……っ」
甘噛みするように、軽く首筋に吸いつかれて高い声を上げた。
「お前、ほんとに、可愛い……
声も、表情もめちゃめちゃ可愛いよ、ラインハルト」
はは、と笑いながらアネットは言う。
それは女性に言うべきセリフだ、と軽く睨み上げるも、
涙で潤んだ瞳では、さして効果もない。
アネットはにかっと笑うと、軽く音を立ててハイドリヒの頬にキスをする。
「そういうとこも、好き。
可愛いけど、スッゲー綺麗だもん。
綺麗な、蒼色……近くで見れて、嬉しいんだ。俺は」
子供のように無邪気なアネットはぽんぽんと、思ったことを口に出す。
素直すぎるあまりに、その言葉にハイドリヒは幾度も焦り、戸惑い、
そして……顔を赤くせざるを、得なくなる。
「そうい、うこと……っ」
普通に口に出さないでください!と、ハイドリヒは顔を赤くしつつ言う。
すると、アネットは小さく笑った。
「だって、ほんとに俺は、嬉しいんだ……
一番、近くで大好きなラインハルトに……触れて、られるから」
"今"一番傍にいるのは自分だ、と囁くアネット。
彼の言葉は、いつだって真っ直ぐで。
言葉少なな自分の分も彼が口に出しているのではないかと思うほど。
もう一度、と首に噛み付くようなキスを落とした彼の首に腕を回して、
ハイドリヒはそっと、その耳元に囁く。
―― 私、……も……
彼の言葉に、アネットは目を見開いた。
そして、嬉しそうに笑う。
ぎゅー、ときつく抱きしめつつ、アネットは言う。
「今は、俺だけの……恋人、だよな?」
に、と悪戯っぽく笑ってみせるアネット。
頷きも首を振りもしない、ハイドリヒ。
ただ、アネットの首に回した腕の強さが、その答えだった。
―― I love you, too ――
(何度もその言葉を紡ぐ貴方とそうでない私と。
でもその想いはちゃんと伝わっているんだと信じたい)
2013-2-27 23:13