※電車男パロのつもりが微妙(かなり)に違う感じになりました
※菊がotk
「リア充め!氏ね!」
パァン!と障子を閉める。
まったく!この冬コミ前の多忙極まる時期にか、か、か、か、か、彼女なんてつくるとは!
けしからん!もっとやれ、とはいきませんよ私は!
フランシスさんの許しがたい所業にこの爺、ポコポコが治まりません!
フランスさんを追い出した部屋で一人黙々とベタを塗る。にーにでも呼んでやらせましょうかね…。でないと間に合いません。印刷所さんにまったをかけるにも…はあ…困りました…。
トーンを貼る作業をフランスさんに任せようと思ったのに、来た直後「あ、菊ちゃーん、お兄さん彼女できちゃったから、明日からちょっと作業無理だわ、ごめんね!」なんて言いだしたんですよ!
あの髭野郎ちょっとヤキ入れた方がいいですかね。
「はあ…」
こんな時は現実逃避に限ります!
「やはりディノツナは最高です…!湾さん中々腕をあげてきましたね…今度のコミケではちゃんと私の分をお願いしましょう…いやしかし復活をこれだけ買うとなると私のミクたんが…うう…水樹嬢のチケットもありますし…」
悩んだ結果購入した薄い本の束を紙袋に入れ電車に乗り込む。
はー満足です!
これで作業も頑張れます。あのリア充は爆発してくれればそれでよしとしましょう。
ほくほくしながら、電車に乗り込む。
揺れる電車内はいつもの風景で、ぼーっとしながら戦利品である紙袋を膝上に抱きi-phoneで音楽を聴く。
やっぱり流星Pは神ですね!!
神調教に私がによによしていた時でした。
「うるせんだよバカァ!」
と、青年の声が電車内に響いたのです。
わりと静かめだったので、その声はとても目立ちました。
びっくりしてしまって、思わず停止ボタンを押してしましましたよ。
パッと声の出所に目をやると、そこには金髪に緑の目、…なぜか上半身裸の外人の方がいらっしゃって。
「……………」
もとはきっととても白い肌は、酔いのためでしょう赤く染まっていました。
強いアルコールの香りが鼻につきます。
「アルゥウ!うっうう…くそ…せっかく育ててやったのに…!おいきいてんのかアルフレッド!」
「僕はマシューですってばァアアア!!!!」
ふらふらしながらその人は乗客に絡んでいきます。
それに顔をしかめると、その酔っぱらいと目があいました。
…正直厄介ごとは勘弁ですね…しかしこの酔っぱらい、見た目はとてもよろしいですよ…フランシスさんとはまた違うキラキラです。きっと酔ってなければそれは綺麗なお顔でしょうに…。
なんてことを考えてたら案の定絡まれました。
「んだテメェ…電車の中でシャカシャカシャカシャカよォ!常識ってもんがねえのか!アア"!?」
ちょwwwおまwww常識ないのはおまいだろがwwww
と思いましたが、言葉になりません。
なんと言っても酔っぱらいにはききませんし…私日本人ですからね…はっきり言うのは苦手なのですよ…。
「……え、えーと……」
「ハッさすが日本人だぜ、自分の意見も言えねえくせによく、イィッテェ!!!!!!!!」
「おいおいおい、菊ちゃあん、えらい面倒くせぇ奴と絡んでるねえ。ほら坊っちゃんいい加減にしろって」
「あっフランシスさん!」
「テメェ髭野郎!」
酔っぱらいの首に腕を巻き付け締めるのは、今朝家から締め出したリア充髭野郎だった。
苦笑いしながら「や、締め切り大丈夫なの?」と言うフランシスさんの腕から逃れようと、じたばた暴れる酔っぱらい。
大丈夫もなにも貴様のせいでこっちは今回も修羅場になりそうですよ、と言いたかったが、とりあえず今の状況が意味わからなくて聞いてみる。
「…お、お知り合いですか?」
「………残念ながらね。本当一回こいつ通報されればいいのにさぁー…とりあえず菊ちゃん次で降りるでしょ?また今度説明するから、今は帰りな。原稿あるだろうし」
ていうか現実逃避乙!とか言われて頭に血がのぼったので、「あなたのルカコレクション粉砕しますよ」と脅してやった。
しかし酔っぱらいにからまれるのはこれ以上御免でしたので、お言葉に甘えて下車させていただきました。
後日、アーサー・カークランドという方から宅配便が届いた。
next.
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