飯綱〈イズナ〉
別名、管狐、飯綱権現
竹管の様な細い管に住む、小さく細長い日本の妖怪、精霊、妖精の一種。
霊能者や飯綱使いが持ち、通力が使え占術などに使われる。
また天狗に使役される使い魔でもあり、飼い慣らせれば大金もちになるとも。
飯綱使いは飯綱を使役し、予言をしたり依頼人の憎む者に飯綱を飛ばし憑け病気にしたりもする。
狐憑きの一種とも言われ、これを持つ家はくだもちと呼ばれ忌み嫌われた。
管狐は味噌を好み、憑かれると味噌ばかり食べ病人は食欲がでる。
また管狐の意思を話すようにもなる。
管狐に竹管から出して欲しいとせがまれ出すと、持主近隣の作物を不作にしたり、病人を出したりする。
このため、日本では秀吉が陰陽師狩りをしたりした。
京都の陰陽師を尾張に流し、その部落は今もある。
右近・左近
山形に伝わる狐。
江戸時代米沢藩で幕府宛の書状を飛脚に持たせたが、下書きの方だと分かり大騒ぎになった。
そこで右近と左近と呼ばれる、飯綱の法を会得している狐が呼ばれた。
そしてその狐が飛脚を追い、江戸近くで休憩している飛脚を見つけ書状を取り替えた。
その後狐は米沢へ帰ったが城に着くとその疲労で死んでしまった。
白面金毛九尾の狐〈はくめんこんもうきゅうびのきつね〉
別名、金毛九尾の狐、三国伝来金毛玉藻九尾。
広義では九尾の狐の亜種とされるが、此処ではコレ自身です。玉藻前、玉藻御前、化生の君。
日本史上最強の妖怪の一つ。
形は、人の形をした九尾の狐、九尾の狐等の説がある。
姿は顔が白く、金色の髪(体毛)で九つの尾を持つ。
妖力の大きさにより尾が徐々に増えた最終形態。
つまり尾が多い方が妖力が強いとされるが、それからさらに成長して尾が減り神に近付くと言う説もある。
玉藻と呼ばれるので、「白」の名前はは美しい事からきているらしい。
強大な妖力を持ち最強の妖狐と云われる。
人に化け傾国の悪女となる事もある。
また中国、天竺、日本を又に掛ける三国一の大妖と言うのは日本で考えられた。
また日本で有名な白面金毛九尾は、坂部行綱と言う子宝に恵まれぬ武士に拾われ、藻女〈みずくめ〉と名づけられ17年後18で宮中に仕え玉藻前〈たまものまえ〉に改名したものがいる。
彼女の才能美貌優しさに惹かれて(天下一の美女、国一番の賢女と謳われる)寵愛され鳥羽上皇と契ったなどの説もある。
その後、鳥羽上皇が病になり原因が玉藻前だと発覚すると逃亡。
数年後、那須に現れ婦女子や旅人を誘拐し食い殺す。
その事から8万の軍勢を向けられ殺された。
その直後殺生石と呼ばれる巨大な毒石になった。
室町時代に玄翁和尚に殺生石は破壊され各地に飛散。