沖→土
「土方さんが可愛過ぎてどうしよう」
職員室にて響き渡るその声に一同が同じ方向を見る。
そこには土方と向き合い座る沖田の姿。
「てめえ、俺の話し聞いてねぇだろ!」
怒る土方の手元には落書きだけされたテストが握られている。
土方は怒りさえ通り越して呆れ始めていた。
「聞いてますよ。テストに落書きするなって事でしょう?」
何故だか悔しい。
土方はじとっと沖田を睨んだ。
対する沖田はニコニコと、相変わらず何を考えてるか解らない笑みを浮かべている。
「そうやってムキになるところが可愛いんですよ」
「男に使う言葉じゃねぇだろ」
「土方さんは例外です」
頭が痛くなってきた。
土方は盛大にため息をつく。
「じゃあテストはしっかり受けるんで僕と付き合って下さい」
突然過ぎる告白に土方を始め、職員室にいる全員を目を丸くした。
何を言い出すのだ。
暫く固まっていると授業開始のチャイムがなる。
「じゃあよろしくお願いしますね」
沖田は手を振り爽快に消えていった。
付き合うなんて決めてねぇぞ。