話題:今日見た夢
一度夢で話が続くと、ある程度は続く傾向にあるようで。
対怪人組織の夢でした。流れからして後半だ。



ある日、研究室長の宇崎が晴斗と鼎の対になっている刀のことが気になり、調べることにした。武器に詳しい御堂も巻き込んで。

「…と、いうわけで小一時間ふたりの刀を貸して欲しいんだ。
分析に時間がかかるかもしれんから、その間に怪人出たらテキトーに武器庫にある武器使っていいから」
晴斗はあっさりと刀を宇崎に渡したが、鼎はどこか躊躇っているようだった。
宇崎は空気を読んで優しく言った。
「か…鼎、極力短時間で刀は返すから心配するな。…な?」
「…わかったよ」
鼎も宇崎に刀を渡した。2つの刀は研究室に運ばれた。

研究室では対の刀の分析が行われている。
御堂は刀の銘が同じだということに気づいた。
「しつちょー、この2つの刀銘が同じっす」
「予想通り、同じ刀鍛冶のものか。よーしこれから戦闘データと照らし合わせるぞ。覚醒と相互作用のメカニズムが気になるからな」
「科学的に分析出来るんですかー?」
「さぁ?」


鼎は一抹の不安を抱えていた。刀がない状態だと覚醒が使えない=戦闘時間に制限がある。
最近調子が悪いせいか、戦闘時間は元の約15分に戻っているかもしれない。

晴斗そんな鼎をよそに、武器庫をがさがさと漁っていた。ふたりは武器庫にいる。
晴斗はまだ銃は不慣れなので、使うならなんなのか。
あのバズーカなら使えるんだけどな。それ以外で使えそうなのは…。


本部のアラートが鳴った。

司令室にはオペレーターの一葉しかいない。研究室でも司令室のモニターは見れる。通信も可能。
司令室の一葉は宇崎に指示を仰いだ。
「とにかく、晴斗・鼎・空操の3人を出撃させてくれ。鼎が出撃するから救護隊員は必ずつけろよ」
「了解しました」


現場では怪人が大暴れしている上に、ゼルフェノアが到着するなり怪人は戦闘員を出現させた。怪人は強化態だった。
空操は率先して戦闘員と戦っている。
「久々に暴れられるぜ!晴斗達は強化態を倒すことに専念してくれ!俺は雑魚を倒すから」
「わ、わかった!」
晴斗は結局あのバズーカだけ持参していた。刀以外で使い慣れてるのはこれしかない。
鼎は槍を持ってきたようだったが、柄を手で回した瞬間にカチッと音がした。
「鼎さんその槍…」
「中に鎖が仕込んである、仕込み槍だ。三節棍みたいなものだ」

鼎は槍を展開させるといきなり怪人に攻撃を仕掛ける。
晴斗は援護しようにも手が出ない。鼎は鎖を上手く使いこなしているようだった。
ちょっ…この人、仕込み槍って!?あの視界でよく戦えてるよなおい。
「晴斗、後ろ!」空操の声がした。
とっさによけたので助かったが、戦闘員も強化されている?
「晴斗、ぼーっとすんな。今は戦闘中だぞ。鼎の背中はお前が守れ」
「りょ、了解です」


研究室では分析がそろそろ終わるところだった。
「よーしあと少しだ。御堂、今の戦況は?」
「鼎が単独で強化態に猛攻しているようですが…心配だ。なんだか様子がおかしい」
「最近鼎は調子悪いとか言ってたのと関係してんのか?戦闘開始してから何分経過した?」
「約5分です」
「もし、鼎の戦闘時間が元に戻っていたとするならだ。急いで刀を調達しないと、鼎の死のリスクが高まる。御堂、この刀2つを急いで届けてやってくれ!」
「了解っす」

御堂は受け取ると急いで現場に向かった。


一方、現場。鼎の様子は明らかにおかしかった。戦闘時間が元に戻ってしまったのか…?
異常に息が切れ、時々咳き込んでる状態だ。戦闘不能一歩手前に近い状態。

晴斗は異常に気づき、鼎を一旦戦線離脱することを選んだ。
今、何分経った?時計を見る。約10分経過している。
「鼎さん!一旦退きましょう。このままでは危ないです。安全なところに行きましょう」
鼎は咳き込みながらも言う。
「まだ、打撃を与えられていない…」
晴斗は感情を露にした。少しキレてる?
「そんなこと言ってる場合ですか!?鼎さんの命がかかっているんですよ?もう少し、自分の体…大事にしましょうよ…。一旦退いてから体勢を立て直さないと」
鼎は素直に受け入れた。
「わかった…」
晴斗と鼎は一旦、戦線離脱することにした。

空操はひとりで戦う状態になっていたが、苦ではなかった。直に御堂が来る。それまでなんとか持てばいい。


現場から少し離れた場所で晴斗と鼎はいた。とにかく晴斗は鼎を座らせた。
鼎はかなり息を切らしている。戦闘不能一歩手前なのは確かだった。


鼎を壁に寄りかかるような形で座らせた。
以前、救護隊員も兼ねている彩音から聞いていた、戦闘不能状態の鼎の対処法を聞いていたのを実行していた。

「とにかく御堂さんが来るまでの間にやらないと」
晴斗は鼎の仮面をわずかにずらし、風を送ってあげていた。鼎の顔には熱が籠っているのでクールダウンさせないとまずい。
風を送ったせいなのか、鼎は少しだけマシになったように見えた。
「そろそろ御堂さんが来るとありました。鼎さんはこのまま休んでて」
鼎は自分の体を憎んでいた。リスクを伴うのはわかってるが、制限があるのは辛い。晴斗は複雑だった。
このまま鼎さんをあそこに休ませるわけにも行かないし…。敵が来たら確実に狙われる。的にされる。


鼎は遠くから乱戦を見つめていた。何も出来ない状態がこんなにもキツいなんて。
やがて聞き覚えのある声がした。御堂だった。
「わりぃ、遅くなってしまった。ほれ、お届けものだ!受け取れ!!」
御堂は乱暴に?刀を投げてきた。晴斗は2つの刀を受け取った。
「あれ?鼎は?」御堂は辺りを見渡す。晴斗は答える。
「一旦、戦線離脱させました。今は休ませています。鼎さんの様子がおかしかったので。もう少し遅かったら戦闘不能になってました」
「晴斗、お前でかした!成長してんじゃんか。鼎の異変に気づいたのか」
「どんだけ一緒に戦ってると思ってんですか」
半年以上も一緒に戦っているだけに、晴斗はいつの間にか鼎の些細な異変にもいち早く気づくようになっていた。


強化態はゼルフェノアのお喋りに業を煮やさしたのか、攻撃を仕掛ける。
御堂はこそっと晴斗に耳打ちした。
「そんなこと可能なんですか!?」
「今、お前対の刀両方持っているだろう?だから提案したんだよ。刀を分析したら可能だと出たからな。室長のお墨付きだ」

晴斗は刀をそれぞれ抜刀し、二刀流になった。対の刀の二刀流。
鼎はその光景に光を感じた。
晴斗は二刀流で強化態に攻撃していく。強化態は通常状態だとやはり効かないか。
覚醒…するしかない。だが二刀流で出来るのか?ひとつは鼎の刀だが、あの超攻撃的な刀を使いこなせるのか?一か八か。
晴斗は覚醒した。2つの刀は同時に発光した。二刀流の場合は刀の形状は変化しないようだ。
対の刀は刀身が赤と青、それぞれに変化した。

2つの刀の相乗効果なのか、攻撃力も格段に上がっていた。
衝撃波もものすごい。鼎の覚醒強化並みの威力かそれ以上なんだろうか、衝撃波がすごいことになっている。
二刀流を初めて使った割には、晴斗は難なく使いこなしてた。

猛攻は凄まじく、強化態をどんどん追い込んでいく。
追い詰めた晴斗は一気に倒した。凄まじい爆発が起きた。


覚醒が解けた晴斗はぜいぜい息を切らしていた。体力の消耗が今まで以上に激しい。

鼎はゆっくりと晴斗の元にやってきた。鼎はそこそこ回復したらしかった。
「よくやったな、二刀流」
「鼎さん、刀勝手にまた使ってしまいました。これ…返します」
刀を受け取った鼎はまだ調子悪そうに見えた。これは病院に行った方がいいかもしれない…。


本部でも鼎の異変に気づいたものはいた。宇崎だ。
「あいつ(鼎)、病院で検査受けた方がいいかもしれないな。本人も原因不明だとか言ってたのがどうも気になる。あと鼎のやつ、敵に命を狙われてる可能性が濃厚になったな」
一葉は怪訝そうにいう。
「このまま本部にいたら危険すぎますよ。本当だとしたら」
「どこかに鼎を匿うしかないなー。薄々感じていたんだよ、敵の動きが不気味すぎてな」
宇崎はあるファイルを取り出すと、鼎を匿う場所の見当を始めていた。

「都市部は危険すぎる…逆に地方都市や田舎ならいいのかもしれない。あっちにもゼルフェノアの諜報員は点在しているからね」
「諜報員…」


数日後、鼎はゼルフェノア直属の病院で検査を受けたが異常はなかった…が、戦闘時間の制限は約15分に戻っていると聞かされた。
あの不調の原因は未だにわからない。敵と関係してるのか…?

さらに数日後の夜、鼎は置き手紙を置くとひっそりと本部を離れた。ゼルフェノアの車にスーツケースを積んで乗り、都市部から離れたある場所へと向かう。
運転手もゼルフェノアの隊員だ。
「しばらくの間、身を隠さなくてはならなくなるのは正直辛い…」
「鼎さん本部にずっといましたからねぇ〜。敵の動き次第では早く戻れるかもしれないですが」
「なぜ、私を狙うのかがわからないから怖いんだよ…」
「あっちは風景もいいからついでに癒されて下さいって、無理か」
「確か場所は老夫婦がやってるゲストハウスだと聞いたが、その老夫婦はゼルフェノアの諜報員なんだろ?」
「…そうです。表向きでは鼎さんは観光で来たということになってます。あっちでも外出時は気をつけて下さいよ。鼎さんの場合は仮面でバレますから慎重に。顔は極力隠して下さい」
「それは承知の上だが…不安だ」
車はどこかへ消えた。


次の日、晴斗は置き手紙を見つけた。
鼎の文字でしばらく身を隠さなくてはならなくなったとある。命を狙われてるのは本当だったのか。
「これ…どういうことなんだよ…!」



どうしてこうなった。