話題:今日見た夢
夢2つ見た。ひとつは血に関する夢で、もう1つは夢の続きだった。



夢ひとつ目。戦国時代真っ只中にいた。自分は足軽で、へっぽこともいってもいいくらいにヘタレ。
赤い軍と黒い軍が戦っていた。自分は赤い甲冑の軍にいる。
自分の近くにほぼ仮面のような、顔全体に面頬を着けた武士がいた。しかもめちゃめちゃ強い。

その人、よく見ると女性なの。体格が華奢なので女だとわかった。


その人、足軽を先導していた。顔は全然わからなかったけど。
自分はへっぽこすぎて、その人の足を引っ張っていたらしかった。赤い軍はなぜか女性の比率が高かった。

名前はわからないが、その面頬の武士は様と呼ばれていた気がする。
戦国時代なせいか血があたりに飛び散ってたわ…。



夢2つ目。昨日の夢の続きだった。敵に命を狙われた、鼎がとある田舎町の民宿(経営者も味方)で匿われていて…からの続き。


匿われてからそろそろ1週間が経とうとしていた。鼎は敷地内の外出は出来ることをいいことに、庭の草花を眺めている。
庭にはたくさんの花があった。民宿の菅原夫妻の奥さんはガーデニングが趣味らしい。
「鼎さん、お花綺麗でしょ?」
いつの間にか奥さんが庭に来ていた。菅原夫妻は鼎の変化に気づいていた。明らかに庭に出る回数が増えている。草花に癒されているのかもしれないと。
「お花、似合っているわねぇ。良かったらお部屋に好きなのを持っていっていいのよ。花瓶もあるから」
鼎は少し戸惑った。自分の見た目に分け隔てなく接してくれている。
「い…いいんですか」奥さんはニコニコしながらどうぞとジェスチャーした。


本部では菅原夫妻からの報告を受けている。
宇崎はそろそろ晴斗と彩音に連絡専用の端末を渡すか…と腰を上げた。
翌日。鼎が匿われてから1週間が経過した。宇崎は晴斗と彩音を研究室に呼び出し、1週間経ったから連絡してもいいぞと専用の端末をふたりに渡した。
「なんで専用の端末なんですかー?」晴斗が聞く。
「おまっ…鼎の居場所を知られたらマズイだろうが!
これでバレたら鼎は別の場所に移動せざるを得ないことになるんだよ。わかってくれよ…」
「室長、鼎の調子はどうなんですか」
「最近の報告では体調は悪化したらしい。命に別状はないが、発作を起こして搬送されかけたと聞いた。早く不調の原因を究明しないとマズイことになる」
「私…気になることがあるんですが」
「彩音ー?どしたー?」
「鼎が不調を訴えたのが2回目の襲撃後なんですよね?2回目の襲撃時に鼎は首を絞められたって聞きましたが…その時首筋に何かされたのでは?…と」

確かに襲撃時に鼎が触られた場所は首だけだ。
宇崎は何かを察し、どこかへ連絡した。連絡したのは菅原夫妻だった。
「あーもしもし。ゼルフェノア本部の宇崎ですが」
「民宿すがわらです。…あ、宇崎さん何事でしょうか?」
宇崎からの電話に出たのはじいさんだった。
「至急、調べて欲しいことがある。鼎の首筋に不審なものがないか調べて欲しいんだ。もし、あったら写真を提供してくれ」
「あい、わかりました」じいさんは電話を切りかけたが、宇崎は止めた。
「ちょっ…!まだ(電話)切らないで!」
「…はい?」
「鼎の様子はどうですか?体調とか色々」
「日常生活には支障はないように見えますが…体調は悪化していますな。2、3日前に原因不明の発作を起こしましたし。命に関わることではなかったのだが、体に異常はありませんでした」
「また発作を起こす可能性はあるってことか…。原因不明だから余計に心配だ…。だからお願いします。鼎の首筋に何か変なものがあったら至急報告お願いします」
電話が切れた。

話を聞いたばあちゃんは鼎の部屋に向かった。戸をノックする。
「鼎さん?入っていいかい?」
「…どうぞ」
鼎はばあちゃんを部屋に入れた。そして宇崎からの話を聞いた。
「あなたの不調の原因がわかるかもしれないの。だから協力して欲しいの」
「それで首筋を調べて欲しい…と。わかりました」
鼎はばあちゃん相手なら抵抗はなかった。
ばあちゃんは手慣れた様子で鼎の首筋を観察する。首にはひどい火傷の跡が残っているため、不審なものを探すのは難しいように見えた。
「鼎さん、ちょっと後ろ失礼するね」
ばあちゃんは鼎の髪を少し上げ、首の後ろ側を見た。

「なんなんだ…これは…」
ばあちゃんは鼎の首の後ろ側に不審なものを発見した。
それは記号のような、古代文字とも取れそうな赤い痣がくっきりとあったのだ。

「じいさん!早く来てくれ!不審なものがあったわい。写真撮って本部に送らねば!」
じいちゃんはバタバタと部屋にやってきた。
ばあちゃんの指示通りにじいちゃんは鼎の首の後ろ側にある、謎の赤い痣の写真を撮る。
本部用と鼎本人に見せる用と何枚か撮った。


急いで本部にデータを転送した後、菅原夫妻は鼎と民宿と隣接している住居(民宿と往来可能)の縁側で話すことにした。縁側からは庭と畑が見える。
「すまないねぇ。バタバタさせちゃって」ばあちゃんはやんわりと謝る。
「部屋にお花、飾ってくれたんだね」
「はい」鼎の声が優しくなっていた。
菅原夫妻は鼎の見た目こそは仮面で隠れて表情はわからないものの、本当は素直な人であることを見抜いていた。我が強いことも察していた。
無茶(無理)しやすいというのが本当だというのもこの1週間で見抜いている。

「それはそうと本題よ。鼎さんの首の後ろ側にこんな変な痣があったの。何か覚えてない?」
ばあちゃんはプリントアウトした拡大写真を見せる。


鼎は鳥肌が立った。あの襲撃時のことを思い出したのだ。思わず首を触る。
「3週間くらい前に帰宅途中にいきなり襲撃されたんです。男3人組に。
そのうちのひとりに首を絞められました。殺されかけて…その後通行人に助けられましたが…怖くて…。後に襲撃した人達が怪人の人間態だとわかって」
「怖かったでしょう」ばあちゃんは優しく語りかける。
「心当たりはそれしかありません。その時に首、触られましたから」


本部の研究室では転送された画像データを宇崎と研究員が解析していた。
まだ研究室にいた、晴斗と彩音は鼎に連絡どころじゃないと察した。何かが起きている。

「室長、何かわかったんですか?」彩音が気になったのか、聞く。
「鼎の証言通りだな、襲撃時に鼎は首に何かされたんだ。この画像を見てくれ。
この赤い痣、首の後ろ側にあったんだそうな」
「鼎さんを襲撃した人達って怪人の人間態なんですよね…?鼎さんを殺しかけたそいつを探さないとならないとか?じゃないと鼎さん、ますます体調悪化するってことですか?」
宇崎は難しそうな顔をした。
「この赤い痣、見覚えがある。怪人が呪詛か何かしたのだろう。過去にもゼルフェノアの隊員がこの被害に合っている」
「赤い痣を消す方法って…」
晴斗は気が気でないようだ。

「この痣を消すためにはその怪人を倒さねばならない。じゃないと鼎の体調は悪化の一途を辿ることになり→やがては死に至るだろう。さっき言ったように鼎の不調は悪化している。発作を起こしたのが気にかかるな…。次は搬送されるかもしれない」
「時間がないってこと!?」
「こっち(本部)とあっちで連携しないとヤバいことになってきたな…」
「襲撃した人間態の情報って入っているんですか?」

「鼎はかろうじて襲撃した人間態の特徴を覚えていたようだ。それを頼りに探すしかない。さすがに時間がかかるとマズイんで、人海戦術を使う。あと研究員フル動員でな。支部にも協力してもらう」
宇崎は何か策があるようだった。
「過去にも同じような赤い痣の被害にあった隊員がいると言ったが、そいつはここ(本部)にいる。そいつの協力なしでは解決出来ないな」
ふたりは誰なのか聞いた。
「それって誰なんですか…?」
「御堂だ」
「御堂さんが!?御堂さんも過去に匿われていたってこと?」
「たまたま鼎がいる場所と同じになってしまったがなー。まさか自分の後輩がこうなるなんて御堂も予想外だろうに」


早速、本部では支部と連携して件の怪人探しをすることになった。数年前に被害にあった御堂も協力している。
御堂の証言と鼎の証言で例の怪人の人間態の特徴が一致した。
別個体かもしれないが、人間態がまるっきり同じ姿なのである。

それに赤い痣がもたらす症状も酷似していた。
痣のある部分が突如激痛(鼎は首全体、御堂は左腕だった)→激しい息切れ・動悸や目眩、立ちくらみ(高熱)→その後か同時に胸の痛みと倦怠感が起きるらしい。
胸の痛みより先は意識を失うか、呼吸困難になるのではないかと推測されている。
搬送レベルになるのは間違いない。

御堂の場合は息切れと動悸を起こした時に、高熱もあった。
鼎は発作を起こした時、異常な倦怠感と激しい息切れ・動悸があったという。胸の痛みもあったと聞いた。
とにかく、身体が動けない状態だったと。


一方、民宿では鼎を無理させないように休ませながらも様子を見ていた。
仮面で顔が隠れていえども、鼎が調子悪いのは明らかだ。声に力がない。じいちゃんばあちゃんは監視活動を活発化させた。



これ、どうなるんだ…。