晴斗と鼎の対怪人用ブレードがそれぞれ不可思議に人間化し、戦闘も人間の姿で遂行。そしてその翌朝。



暁家・晴斗の部屋――


晴斗はいつもと違うことに気づいた。誰かが隣に寝ている。


――ん?


晴斗は目を覚ました。そこには人間の姿の恒暁(こうぎょう)が。しかも熟睡している。


…な、なななななんで!?なんで恒暁が人間のままいるんだよ!?

晴斗はパニクった。恒暁のやつ、めっちゃ気持ち良さそうに寝てる。



晴斗はなんとか両親にバレないようにして、恒暁と一緒に家を出た。行き先は本部。


晴斗はなんとなく聞いた。

「恒暁、元の姿に戻らないの、なんで?」
「さぁ、戻れなくなった…のかな…」

「戻れなくなった!?」
晴斗は大袈裟なリアクション。恒暁は申し訳なさそうに言う。
「しばらくこの姿のままかもしれない…」


なんですと!?



一方、鼎も異変に気づいていた。
看護師に悟られないようにして、人間の姿の鷹稜(たかかど)が身を潜めていたからだ。


「鷹稜…お前元の姿に戻ってないぞ?」
鷹稜は恐縮しているように見える。

「私にもわからないのです。元の姿に戻れなくなったのかもしれません。原因さえ分かれば元のブレードの姿になるんでしょうけど…」
「…さすがに病院だとまずいな。鷹稜、お前病院を出て隣の本部へ行け。おそらく恒暁も人間の姿のままだ」

「…わかりました」



本部・司令室。


晴斗は人間の姿のままの恒暁と鷹稜を連れてきた。

「室長…なんとかならないの?俺の恒暁と鼎さんの鷹稜が人間の姿のまま、戻らない?戻れなくなったみたいで…」
「今、長官と西澤も調べているところだよ。君たちは戦えるんだよね?」

「あぁ、戦えるぞ」
「戦えます」


宇崎はハッとした。この2人はブレードが人間の姿になったものだ。当たり前だが戦える。

「今調査中だからその間、人間の姿のままだけど…いいよね?
君たちは食べなくても平気なんだっけか」


この問いに鷹稜が答えた。

「主の力というか、エネルギーさえあれば私達は動けます。食べ物を食べる必要性はないですが、必要なのはそれくらいですね」

鷹稜の見た目からして、食べることを想定されてない。
鷹稜のあの仮面、簡単に外せないようになってるあたり…。


「わかった。病院に伝えておくよ。鷹稜は鼎に会わないとエネルギーを貰えないのか。
恒暁は晴斗と一緒にいれば大丈夫だろ」


宇崎はすぐさま隣の病院に連絡。鷹稜は無事に鼎に会うことが出来た。
宇崎が病院に連絡したことで、鷹稜は怪しまれずにすんだ。


「鼎さん、司令から許可貰いましたのでこれで怪しまれません!」
「良かったな、鷹稜。しかし恒暁と鷹稜はブレードだから食べる必要性がないのか。主のエネルギーさえあれば動けるとはな」

「はい、最初から伝えるべきでした」
「鷹稜、気にするな。しばらくそのままならそのままでいいだろう」


鷹稜は意外と繊細なのか?


対怪人用ブレードは主に似ると聞いたが…。人間の姿になると、かなり似てるというか…。似るものなのか?



こうして晴斗と鼎は人間の姿から戻れなくなった対怪人用ブレードの恒暁・鷹稜と一緒に過ごすこととなる。
原因がわからないため、宇崎とゼノクは調査に追われるのだが。