スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

第45話(下)

晴斗と鼎の対怪人用ブレードがそれぞれ不可思議に人間化し、戦闘も人間の姿で遂行。そしてその翌朝。



暁家・晴斗の部屋――


晴斗はいつもと違うことに気づいた。誰かが隣に寝ている。


――ん?


晴斗は目を覚ました。そこには人間の姿の恒暁(こうぎょう)が。しかも熟睡している。


…な、なななななんで!?なんで恒暁が人間のままいるんだよ!?

晴斗はパニクった。恒暁のやつ、めっちゃ気持ち良さそうに寝てる。



晴斗はなんとか両親にバレないようにして、恒暁と一緒に家を出た。行き先は本部。


晴斗はなんとなく聞いた。

「恒暁、元の姿に戻らないの、なんで?」
「さぁ、戻れなくなった…のかな…」

「戻れなくなった!?」
晴斗は大袈裟なリアクション。恒暁は申し訳なさそうに言う。
「しばらくこの姿のままかもしれない…」


なんですと!?



一方、鼎も異変に気づいていた。
看護師に悟られないようにして、人間の姿の鷹稜(たかかど)が身を潜めていたからだ。


「鷹稜…お前元の姿に戻ってないぞ?」
鷹稜は恐縮しているように見える。

「私にもわからないのです。元の姿に戻れなくなったのかもしれません。原因さえ分かれば元のブレードの姿になるんでしょうけど…」
「…さすがに病院だとまずいな。鷹稜、お前病院を出て隣の本部へ行け。おそらく恒暁も人間の姿のままだ」

「…わかりました」



本部・司令室。


晴斗は人間の姿のままの恒暁と鷹稜を連れてきた。

「室長…なんとかならないの?俺の恒暁と鼎さんの鷹稜が人間の姿のまま、戻らない?戻れなくなったみたいで…」
「今、長官と西澤も調べているところだよ。君たちは戦えるんだよね?」

「あぁ、戦えるぞ」
「戦えます」


宇崎はハッとした。この2人はブレードが人間の姿になったものだ。当たり前だが戦える。

「今調査中だからその間、人間の姿のままだけど…いいよね?
君たちは食べなくても平気なんだっけか」


この問いに鷹稜が答えた。

「主の力というか、エネルギーさえあれば私達は動けます。食べ物を食べる必要性はないですが、必要なのはそれくらいですね」

鷹稜の見た目からして、食べることを想定されてない。
鷹稜のあの仮面、簡単に外せないようになってるあたり…。


「わかった。病院に伝えておくよ。鷹稜は鼎に会わないとエネルギーを貰えないのか。
恒暁は晴斗と一緒にいれば大丈夫だろ」


宇崎はすぐさま隣の病院に連絡。鷹稜は無事に鼎に会うことが出来た。
宇崎が病院に連絡したことで、鷹稜は怪しまれずにすんだ。


「鼎さん、司令から許可貰いましたのでこれで怪しまれません!」
「良かったな、鷹稜。しかし恒暁と鷹稜はブレードだから食べる必要性がないのか。主のエネルギーさえあれば動けるとはな」

「はい、最初から伝えるべきでした」
「鷹稜、気にするな。しばらくそのままならそのままでいいだろう」


鷹稜は意外と繊細なのか?


対怪人用ブレードは主に似ると聞いたが…。人間の姿になると、かなり似てるというか…。似るものなのか?



こうして晴斗と鼎は人間の姿から戻れなくなった対怪人用ブレードの恒暁・鷹稜と一緒に過ごすこととなる。
原因がわからないため、宇崎とゼノクは調査に追われるのだが。


第45話(上)

異空間での禹螢(うけい)戦から数日後。怪人は不気味なことにぱたりと出現しなくなる。

鼎はその間に一般病棟に移った。傷は深く退院までにまだかかると聞いた。
御堂も禹螢戦で怪我したため、手当てを受けたという。



鼎はある日、不思議な人と会った。その人はなんの前触れもなく鼎の前に現れ、自分のことを「鷹稜(たかかど)」と名乗った。

鼎がいる病室は隊員用の一般病棟なため、6人部屋だが1人しかいない。
時間帯は夕方。黄昏時だった。


「何者なんだ、お前」
「だから『鷹稜』ですって」


変な夢でも見ているのか?


この「鷹稜」と名乗る男、見た目からして怪しい。まるでマジシャンのような格好をしているのだ。


シルクハットとまっさらな白い仮面姿が際立つ。
仮面は鼎のようなベネチアンマスクではなく、つるっとした何もデザインされていないもの。だから顔がないように見える。

モノトーンの服装にまっさらな白い仮面の男は、黒い頭から被るタイプのマスクの上から仮面を着けているため正体が一切わからない。


鷹稜はやけに丁寧だった。

「どうやらまだ信じていないようですね、私が『鷹稜』だということを」
「お前…マジシャンみたいな姿だが『鷹稜』って…私のブレードなのか?」

「えぇ、そうです」


鼎はベッドの側を見た。鷹稜がない。その場所にはあの不思議な男がいる。

「鷹稜…なぜ仮面姿なんだ?」
「私達は主の影響を受けているのです。この仮面はあなたを反映しています」


今…私「達」と言った?
ブレードが人間になることなんて、あり得るのか?



不思議な事案は晴斗にも起きていた。本部・休憩所で晴斗は見たことのない男性を見る。


「えーと、誰!?」
「え?俺は『恒暁(こうぎょう)』だよ。晴斗、初めまして…じゃなかったわ」

「こ…恒暁!?…って、俺のブレードと同じ名前じゃないか!」
「俺、お前のブレードだよ?」


対怪人用ブレードが人間化するなんて、そんなんあり得るのか!?



この不可思議な事象はすぐさまゼノクで調査委員会が組まれた。

「本部で対怪人用ブレードが人間化する不可思議な事案が起きている。なんでそうなったのかはわからないが、戦力に影響するかもしれない」



晴斗は恒暁とあっさり打ち解けていた。


「つまり、ブレードが擬人化したって解釈でいいのか?」
「なんでかはわからないが、そうなってたの。元の姿にいつ戻れるかはわからんよ」


恒暁…それどういう意味だ!?



鼎も鷹稜と打ち解けたようだった。相棒のブレードが人間化するなんて、変な感覚。


「つまり、元の姿にいつ戻れるのかわからないのか」
「だから束の間の人間の姿を満喫したいと思いまして」

「戦う時はどうするんだ?」
「私自身が行きますよ。鼎さんは怪我でまだ動けないじゃないですか。
あの時はすいませんでした。敵の手に落ちてしまったばっかりに…。傷つけてしまいました。不甲斐ない」


鷹稜は顔は見えないが、謝ってる。

「いいんだよ。禹螢は倒したんだし、鷹稜はそう落ち込むな」
「で…ですが…」
「お前、見かけによらずいい奴なんだな。怪しんでごめん」
「私はあなたの相棒ですから」


鷹稜がなぜマジシャンのような姿なのか、なんでなのかはわからない。


「鷹稜、お前…徹底的に顔を見せないのだな。簡単には外れないだろう、その仮面。前、見えているのか?」
「見えていますよ。そもそも私は人間ではありませんから」


ブレードが人間化しただけだからな…。それにしてもなぜ?



ゼノクではブレードが人間化した隊員を調べてる。

西澤はあることに気づいた。


「暁と紀柳院だけみたいですね、対怪人用ブレードが人間化したの」
「昨日までは何もなかったのにな〜…。
暁と紀柳院のブレードに変化でもあったのか。この2人のブレードは意思があるらしいから、それも関係してるのかな?」

「長官、しばらく様子見しますか」
「見たところ、主としか干渉していないもんねぇ」



そんな不可思議な状況の本部にアラートが鳴り響く。


「怪人出たな」
「あ、おいっ!恒暁!行くなよっ!!待てって!」


恒暁は身軽なのか、ひょいひょいと現場へ。晴斗は恒暁を追う。
御堂と時任はこのヘンテコな光景を見た。

「晴斗のやつ、あいつ誰?恒暁言ってたけど」
「恒暁って、暁くんのブレードっすよ!」



都内某所。そこにはネオメギドの姿が。
恒暁はいきなり先制攻撃。かなり強い。


「晴斗、俺を使いこなしていないだろ?使いこなせてないのかなー?」
「…んなっ!?」

恒暁は何かを察知した。
「鷹稜も向かってる」
「鷹稜って鼎さんのブレードだ…」



本部隣接・組織直属病院。


鷹稜は窓を開け、身を乗り出した。

「鷹稜どこへ行くんだ!?」
「怪人が出たんですよ。恒暁が交戦中ですね。
私も向かいましょう」


鷹稜はそう言うと、律儀に窓を閉め→ハイジャンプで移動。本当にマジシャンみたいだな…鷹稜は。
あの動きは人間には不可能。ブレードだから可能なんだろうな。



鷹稜は恒暁と合流。

「鷹稜!来たか〜!」
「待たせましたね」


晴斗は鼎のブレード・鷹稜の人間の姿を見た。
マジシャンみたいな見た目に白いまっさらな仮面。異様に見えるが、出で立ちのせいで違和感がない。


鷹稜ってマジシャンみたいだ…。振る舞いが上品なのにめちゃくちゃ強い。
鼎さんのブレードだから反映されてんのかな。あの仮面、鼎さんの影響なのかな…。


鷹稜は華麗にマントを翻し、ネオメギドを翻弄。
恒暁は肉弾戦で一気に突いている。2人は人間化したことにより、実力を発揮していた。


鷹稜は晴斗にこう伝えた。

「鼎さんに伝えて下さい。あなたはまだ完全に私を使いこなせていないよと。真の実力を発揮した時、変わるでしょうと」
「鷹稜…わかった。鼎さんに伝えるから!」

「恒暁、一気に行きましょうか」
「おぉ!」


恒暁は好戦的。鷹稜は紳士的。
対照的なこの2人は連携するとかなり強くなる。

2人はそれぞれ長所を活かして怪人を撃破。



鷹稜は恒暁・晴斗と言葉を交わした。


「それでは私は主の元へ戻ります。人間から元の姿に戻るかもしれませんからね」
「鷹稜さん、伝言は伝えるから!鼎さんに」

「晴斗くん、頼みましたよ。恒暁、元の姿に戻っても私達は志は同じです」
「そうだな」


鷹稜の声が優しくなった。

鷹稜はそう2人に伝えると姿を消した。鼎がいる病院に行ったんだ。



ゼノクではブレード人間化の驚異的な実力に驚きを見せる。

「なんなんだ!?この数値は!?ブレードが人間化しただけで、こんなにも変わるもんなのか!?」
「西澤、ブレードの人間化は一時的なものだとわかったから。いずれ元の姿へ戻るだろう」





第45話(下)へ続く。


第44話(下)

御堂達が異空間で禹螢(うけい)戦を繰り広げている最中、まだ意識が戻らない鼎だったが不思議な光景を見た。


それは綺麗な花畑が広がる光景。花畑はどこまでも広く、青空が広がっている。景色は淡い色合いでぼやーっとしてる。
その花畑の中に見覚えのある人がいた。鼎(=悠真)の両親だ。死んだ両親がなぜここに?

花畑にいた自分は素顔だったが、顔の大火傷の跡は消えていた。思わず顔を触る。
そんな鼎の姿を見た両親は何かを伝えようとしていた。

「悠真はまだ来ちゃダメだよ。待ってる人がいるんでしょう?戻って」
母親の優しい声がした。


来ちゃダメ?戻って?


だんだん遠ざかる花畑。鼎は何かを悟った。ここは来てはいけないところなんだ…。



異空間では御堂が本気を出した。


「桐谷さん、あれこっちによこして!!」
「了解です」


桐谷は何かをぶん投げる。御堂はキャッチ。それは対怪人用銃・マグナムブラストを改造した大型銃。
桐谷が主に使うものだが、御堂が使うと様変わりする代物。

御堂はそれをすぐさま、禹螢に向けて発砲。威力が大きいその銃は殴るのにも適している。
彼はよく銃で殴るため、最適とも言える。


禹螢は御堂の猛反撃に圧され始める。
「なんなんだこいつは…」
禹螢怪人態は電子機器の介入が出来ずにいる。御堂はめちゃくちゃ楽しそうに攻撃。


「何目的で鼎のブレード強奪したんだかわからねぇが、返してもらうぞ!!」

御堂は本気を出すとかなり攻撃的。禹螢は御堂からゼロ距離射撃を立て続けに受け、ダメージを受けている。さらに肉弾戦でも畳み掛ける御堂には隙がない。


晴斗は御堂の実力に思わず見とれていた。
御堂さん、こえぇよ…。


バックアップの鶴屋も札を使い、守備を強化。時任は絃(いと)をつかい、禹螢の動きをなんとか止めようとする。

「御堂さん!早く攻撃してーっ!こっちはギリギリなんすよ〜」
「言われなくてもやるわ!!」


御堂は銃で殴りつつ、蹴りをも加える。そしてまた1発発砲。
禹螢は距離を取ったが、御堂はその一瞬を逃さなかった。

銃を最大出力にし、一気に撃ち込む。激しい音と共に禹螢は倒された。


鼎のブレード・鷹稜(たかかど)は宙を舞い、地面に突き刺さる。
御堂はそれを抜いた。

「早いとこ、戻るぞ。ゲート探さねぇとな」


御堂は鷹稜を鞘に収めると、大事そうに抱えた。大型銃は桐谷に返してる。
6人はひたすら走った。ゲートの目印は道祖神・お地蔵様・風車だと長官は言ってた。どこにあるんだ目印はーっ!


6人はあの最初の森に来た。昼間でも薄暗い。
時任は何かを見つけたらしい。

「あれ、道祖神じゃないっすか!?ほら!」
そこには小さな石像が。ゲートの目印は見つけたが何もない。6人は推理し始める。


最初に来た時、6人が異空間に着いた瞬間ゲートは閉じた。開ける方法があるはずだ。
時任はなんとなく呟いた。

「開け〜ごま!」
「そんなんで開くわけないだろ」

御堂は冷めている。時任の「開け」に反応したのか、いきなりゲートが開いた。


「開きましたよ?」
時任はあっけらかんとしている。

「早くここ(異空間)出るぞ!走れ!!ゲートが閉じる前に飛び込め!!」


6人はゲートに向かってダッシュ、次々とゲートの外へと脱出。ゲートが閉じる寸前、最後尾の晴斗は一気に飛び込んだ。ゲートは閉じられた。
ギリギリ6人全員、異空間から帰還。



ゼノク・異空間ゲート部屋。開いた扉から6人がなだれ込んできた。

「いって〜」
「俺、下敷きになってんだけど…。苦しい…」


御堂が最初がゲートに飛び込んだせいでこんな状況に。6人はようやく立ち上がる。


そこに蔦沼と西澤が。

「鷹稜を奪還してきたか」
「禹螢はぶっ倒したぞ。しぶてぇやつだった」


御堂は取り返した鼎のブレードを見せた。蔦沼は受け取った。

「長官、鼎にはすぐ返さないのかよ」
「ちょっとひと手間加えないとならないからね。このまま返すわけにはいかないでしょ。病院にこのまま持っていくわけにはいかないだろう?」


確かに。


「西澤、場所を変えよう。桐箱と塩、あと箱を包む布を持ってきてくれるかい?」
「『あれ』、やるんですか」

「怪人に使われたんだぞ?清めないとならんでしょ」



ゼノク・とある部屋。


蔦沼と西澤は鼎のブレード・鷹稜に何かをしていた。お清めらしいが…。


丁寧に桐箱に入れられ、綺麗な布で包まれたブレードを御堂は蔦沼から受けとる。

「このままの状態で紀柳院に届けてくれ。鷹稜は清めたから大丈夫。
さすがに病院でブレード剥き出しはいけないからねぇ…」
「わかった」



本部隣接・組織直属病院。

鼎は意識を取り戻す前兆が現れ始める。御堂は急いでブレードが入った桐箱を看護師に渡した。

「これを鼎のところへ届けてくれ!ベッドの側に置くだけでいいから」



しばらくして。

鼎は意識が戻った模様。
ここは…どこだ…?視界が見えない…。


彩音が本部に飛び込んできた。

「鼎の意識戻ったって!」
「本当か!?」

「ごめん、私また病院行かなきゃならないから。室長も」
「彩音、ずっと病院にいたのか…。付きっきりで…」


鼎は顔に巻かれた包帯を外され、いつもの白い仮面姿に。
鼎はまだぼーっとしている。


あの景色はなんだったんだろうか…。


鼎はベッドの側に桐箱があるのを見た。長さからするに、鷹稜だ。

鷹稜が戻ってきたんだ…。良かった…。


鼎は仮面の下で涙目になっていた。なぜ桐箱に入っているかはわからないが、愛用のブレードが帰ってきたのは嬉しかった。


鼎は6日間昏睡状態にあったと聞かされた。それだけダメージが大きかったということだ。


「私はそんなにもひどかったのか…」
「鼎、腹斬られたからまだ安静にしないとならないよ。御堂さん達が奪還したんだって」
彩音が淡々と話してる。

「禹螢はどうなった…」
「御堂さんが倒したよ」


和希が倒したのか…。鼎はいつの間にか御堂のことを名前で呼んでることに気づいた。

この変化はなんなんだろうか…。


無題


話題:おはようございます。
昨日の拍手7個ありがとうございます。昨夜は岸辺露伴観てから寝ました。今日は8話ですね、有名な回?のじゃんけん小僧か〜。
岸辺露伴の原作漫画が気になってきた、どうしてくれるよ。

ジョジョのスピンオフだから読みやすそうな気がする。奇っ怪なミステリーな時点で本編とは別物だもんなぁ。


高橋一生の露伴、ハマりすぎだよ。この人以外考えられんわ。


ジョジョ、最初絵柄が受け付けなくて読まなかったのですが(中高生時代の話ね)、スティール・ボール・ランは読んでたな…。
主人公が女主人公の徐倫だからか?何部だっけ?


未だに覚えているのが中学か高校か忘れましたが、数学の先生がジョジョ好きで「ジョジョにはメビウスの輪とか数学的なものが出てくるんだぞ〜」とか言ってたのは妙に覚えてる。

あれでちょっとだけ興味出たんだっけか。



今日からおかんは休みです。昨夜、変な時間帯にボトルコーヒーを飲んだせいかカフェインのせいで変な夢見た…。


前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2022年12月 >>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
アーカイブ