一部の人は基本的にコードで呼び合わなければいけない。ただ、それぞれの個人情報はほとんど抹消済みで、名前が知れることがそれほどダメージにならないと自分たちで分かっているから、本名で呼び合うことも多い。気分次第。
神城
リュウ 龍
神坂
ユウ 賢
入野
リノ 春
木崎
アヤ 文
室生
ヨル 夜
火鎧
シン 慎
鬼原
キハラ
登志
トシ
蛟
ミズ
栢野
ユズ
この辺の人たちは本当はコードを考える必要もないくらいに個人情報がない(実社会で生きていない)から、相当適当。
澤口はコードか苗字で呼ぶ。
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作り物です、現実以外は
一部の人は基本的にコードで呼び合わなければいけない。ただ、それぞれの個人情報はほとんど抹消済みで、名前が知れることがそれほどダメージにならないと自分たちで分かっているから、本名で呼び合うことも多い。気分次第。
「俺の片思いについて聞かねえの」
教師は誰でも綺麗好きで汚くて自分勝手で口先だけだと思ってた。あの人に会うまでは。
事情は聞いたがどうも事情が掴めない。チャップが嫌に優しく少年の世話を焼いていたが、俺にはその理由は分からなかった。
誤解なんていつものことだ。誤算なんていつものことだ。
「俺どうしたらいいか分かんなくてっ」
チーフはノックに平気で応じて人を通す。その無神経さに痛み入ることはあっても尊敬できる代物ではないなと思いながら煙草に火を点けると、既に煙で充満する部屋の奥で人の蔭が動いた。
少年はチーフの部屋に消えていく。
引き受ける他になかったとは言え、こういうことはもう頼まれたくないなと思う。そうして今回は自分が悪いからと幾度となく呟き、小さく溜め息を吐いた。
「チーフに起こしてって頼まれてた人いるー?」
チーフはそこに長い脚を投げ出して座っていた。単に眠っているようでも見ている僕は緊張する。
「チャップ、交代」
始めは名前なんてなかった。呼んでくれる人もなかった。